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開発ストーリー | CASIO

Original Stool

CC-7

ピアノのあるライフスタイルを彩る CRASH GATEと作り上げたこだわりのピアノスツール

部屋のどこに置いてもスタイリッシュな外観や広がりのあるサウンドが空間に調和し、本格的な弾き心地と気軽に音楽と触れ合える心地よさを両立する「Privia PX-S7000」。ピアノといえば黒く大きく、設置場所も壁際という今までの既成概念にとらわれない一台です。”ピアノがある生活”を革新し、その世界観を共に作り上げているのが、「Privia PX-S7000」に合わせて制作されたピアノスツール「CC-7」です。
誕生までに込められた思いを、4人のキーパーソンに語ってもらいました。

インテリア性の高いピアノ椅子を求め、「PX-S7000」がCRASH GATEと出会う

「世界に新しいライフシーンを創造し、人々に幸せと感動を提供する」という理念のもとにブランド展開をしていると話すのは「CRASH GATE(クラッシュゲート)」を立ち上げた関家具クラッシュ事業部ゼネラルマネージャーの森さん。CRASH GATEは老舗インテリア会社、関家具が運営する数あるブランドのひとつで、関家具から誕生した最初のブランドでもあります。心躍るもの・好きなものを自由にミックスする楽しさ、心地の良い暮らしにつながるアイテムを提案し人気を集めています。

「CRASH GATEでは “いつも暮らしにユーモアを”というコンセプトで、お客様に楽しんで見てもらえるよう店作りやアイテム開発を行っています。また、“心躍るモノとの出会い”というテーマもあります。僕自身、新しいものに出会ったとき、感動することがあるんですけど、それをお客様にも体験していただきたいという思いですね。それがこういう言葉に表れているんです」と話す森さん。この思いを持つCRASH GATEとの出会いをCASIOでPriviaを担当する山﨑さんは「PX-S7000のコンセプトと通じるところがあると感じたため、思い切ってピアノ椅子の開発を相談した」と振り返りました。

「”Style, Reimagined”というコンセプトのもと、『PX-S7000』はピアノという楽器のあり方だけでなくライフスタイルのあり方も、今までの固定観念から解放できるようにと企画してきました。自宅でピアノを弾くというと、楽しみながら自由に演奏するというよりは、壁際に置かれたピアノに向かって黙々と練習するというイメージを持っている人も多いと思うんです。そうではなく、ライフスタイルそのものをアップデートできるようなピアノを目指しました。設置場所にとらわれない音響やこだわりの音質、そして本格的な演奏ができる鍵盤のクオリティなど楽器性能に妥協せず、デザインも直線を基調としながら抜け感があり、インテリア性が高いんです。様々なシーンでその時の気分に合わせて弾けて、弾く人に自由を届けられるような新しいタイプのピアノなので、そのピアノにマッチした椅子を提供したい、という強い気持ちを持ってこの企画を進めました。

CASIOでもピアノ椅子として機能性を満たす椅子は作ってきたんですけれども、今回は例えば黒くて四角くて大きい一般的なピアノベンチではなくフォルムや色味にも表れたインテリア性の高い椅子が必須、と考えました。そこから多くの会社の既存の製品も見比べましたが、CRASH GATEさんのコンセプトはPriviaが掲げる『In Harmony with Life』というブランドステイトメントに近しく、製品のクオリティも高いと思ったんです。実際に相談してみると、初回の打ち合わせからCASIOの『PX-S7000』とあるべきピアノ椅子への思いに共感してくださいました。さらに皆さんは常に新しいことにチャレンジし続けていて、フレキシブルに対応いただきなから開発協業が行えると思いました」

デザイン性だけでなく、ピアノ椅子としての機能性にもこだわり、ほかにはないスツールが完成

相談を受け、初めて「PX-S7000」を見た時、CRASH GATE マネージャーの光浦さんは斬新なデザインに衝撃を受けたといいます。
「本当に斬新なデザインですよね。今までのピアノのイメージを変えてお部屋でインテリアと調和するようなピアノを作りたいというCASIOさんの思いが、 CRASH GATEの既成概念に縛られない発想を持ってスタイリングしていくという考えと共鳴すると思いました。

CASIOさんと一緒に、良いものを作っていきたいという一心で厳しい検査もクリアできるように開発を進めていきました。もちろんお客様の信頼のためにも品質は重要です。知識を出し合ったり工場にも協力してもらったりし、部屋の中心に置いて音楽を楽しめるというコンセプトに沿ったスツールがようやくできあがったと感じています」

実際のデザインも「PX-S7000」に寄り添うようなフォルムになっています。

「脚の直線的なデザインも、『PX-S7000』のスタンド部にすごくぴったりですよね」と満足そうな山﨑さんに「ビンテージのスツールはもっと脚が短く曲線が多いんですよ。そこをストレートに落とすことで、モダンな形を再現できました」と森さんが話します。

実際に開発にあたり工場との協議と交渉を担ったCRASH GATEの落合さんは「『PX-S7000』は、既成概念を飛び越えた新しい世界観を作り出すピアノ」だと感じ、その世界観と機能性を両立させるスツールを作ることの難しさも語ってくれました。

「一番苦労したところはやはり各種試験の部分ですね。物理的な試験を繰り返して、弱いところを順番に潰していくというような形でやっていきました。木材というのは、それぞれが持ってる特性で動いたり、割れたりすることがあるんですよ。実際に木目を見ながら、そこをどのように補強してあげれば強度が上がるかということを考えながら、改善して試験して、また改善して試験して・・・その繰り返しでした。試験をクリアするのに時間がかかってしまい、そこは苦労したところですね。このフォルムでなければ簡単にクリアできることもありましたが、PX-S7000の世界観のためには譲れませんでした」

「PX-S7000」の世界観と調和させるためのこだわりはカラーリングにも見られます。「『PX-S7000』と色合いを合わせるために、塗料の赤みや青みなどを0.1%という単位で調合していただいてびっくりしました」と感動する山﨑さんに森さんは「うちもここまでやったのは初めてでした」と当時の様子を教えてくれました。「CC-7」はピアノ本体のカラーリングとマッチする「ライト」と「ダーク」という2種類のラインナップです。

「木目を再現するために、はじめにブナ材をブラウン色で木地に塗って、ある程度地の木目の柄が出たあとからライトグレーを塗装していく、という作業をしました。すでにできあがっている『PX-S7000』の色に合わせていくという作業が大変でした。他の素材と色を合わせるというのが難しいんですよ。特にダークよりもライト色の方が難易度が高かったですね。暗めに仕上げる場合はある程度馴染みもいいんですが、反対に明るくしていくという作業は、色を乗せれば乗せるほど木目が消えてしまうんですよ。時間はかかりましたが、木目も見えて色もちょうど良いカラーリングになったと思います。実際に見てもらうとよくわかりますが、室内光か外光かでも見た目の色が変わるんですよ。そこまで考慮し、何度も見比べながら塗料の細かな調整を行なったので、我々としてもすごく満足しています」

こうすることで、木目も見え、「PX-S7000」のスタンド部に色を合わせることもできるということです。CRASH GATEだからこそのこだわりに山﨑さんも「色板サンプルを何枚も送っていただいた時はさすがだなと思いました。そのサンプルの中から『PX-S7000』のスタンド部に合う色味を検討しました」と続けます。

森さんは、ブナ材は硬さと粘りを兼ね備えた特性を持っているといい「木材の中でも硬質になると、衝撃を加えると折れやすいという側面がありますが、そこを粘って耐えてくれる特徴を持つブナ材を材料として選びました」と選んだ理由を話します。ブナ材について山崎さんも「天然木を使う良さはひとつひとつの味があるところ」とその魅力を指摘。一方でその難しさもあったと言います。「様々な湿度や温度で一定時間保ち、その後使用するにあたって異常を起こさないか木材の限界に迫るような強度試験を行いました。金属のスツールでも行うような耐久試験は天然木材には過酷でもありましたが、無事にクリアでき安心しました」と森さんは振り返りました。

またピアノは日常的に家庭の中にあり、様々なタイミングでスツールも使用されるため、日常生活の中でどうしても汚れがちです。そこで、座面の張地には汚れが落としやすい特殊な加工が施されたファブリックを選ぶなど、使用感にもこだわっています。
また、スツールの座面部を回転させることで、座面の高さを無段階で調整できます。山﨑さんは、ピアノを演奏する人にとって、体格や好みに合わせ微妙な高さ調整ができるというのは大切なポイントだと言います。

機能性の高さは細部へのこだわりからも感じられます。一般的にピアノを演奏する際は、ペダル操作や、低音域から高音域まで手を伸ばすことを考慮し、浅く腰掛けます。安定した姿勢でピアノを演奏するために、この点も細かく設計されていました。「クッション部がふかふかすぎると安定しなくなり、演奏性が損なわれてしまいます。快適さとのバランスが取れたサイズや厚み、そして素材を楽器メーカーだからこその視点で吟味させてもらいました」と話す山﨑さんに「座面も通常より少し大きいんですよね」と森さんが説明してくれました。座面サイズを大きくした分、安定性を保つために脚部にもさらなる調整が必要だったということです。

ほかにもピアノを弾く際には座り心地も大切です。インテリア性の高い一般的なスツールよりも長時間座ることを想定し設計されました。
「座り心地に関しては、木の方の板座を座掘りしてクッションを埋め込むような形で今回作っています。普段僕らが、スツールを作るときはそこに長時間座るというのは考えないんですよ。でも今回はピアノ椅子の機能性として座り心地も重視しました。厚みのあるウレタンフォームを採用することで、長時間座れるスツールになっています。さらに、見た目には洗練された印象を持たせるために木の方の板座を座掘りしてクッションを埋め込むような形にしました。これによって、座り心地を高めつつも、クッション部が薄く見えるようなデザインになっています。」と話す森さんに、実際に複数のピアニストに座り心地を試してもらったという山﨑さんも「あの厚みがあるからこそ、長く弾いても疲れづらいんですよね。実際に試したいただいた方達にもじっくりピアノと向き合って演奏や練習に取り組むことができそうと言っていただけ、座り心地の良さを体感してもらえてよかったです」と頷きます。山﨑さんによるとクッション張地も「PX-S7000」のスピーカーファブリックやピアノカバーと調和するように、CRASH GATEだけでなくCASIOのデザイナーも共に複数の張地サンプルの中から選んだということです。インテリアブランドとCASIOのデザイナーがタッグを組み、どちらの視点からもこだわり抜いたスツールだということがわかります。
「楽器メーカーとしての希望を聞いてくれただけでなく、インテリア会社だからこその知見が集約されていて、CASIOだけではこのスツールは作ることができませんでした」と山﨑さん。

厳しい試験基準をクリアし、満足のいくスツールが完成

完成したスツールを前に山﨑さんは「試験条件は厳しいものではあったと思うんですけど、デザイン性とピアノ椅子としての機能性両方を兼ね備えたピアノスツールになったと思います」と笑顔を見せます。森さんも「世界中でいろんな人が使われると思うので、すごく楽しみです」と満足そうでした。
 より上質でより自由なライフスタイルを彩ってくれる「PX-S7000」。その「PX-S7000」のためだけに外観も機能性も追求された「CC-7」が、今までの常識を覆す音楽体験を支えます。

Privia PX-S7000

Privia Original Stool (CC-7)

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