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Interview
A Life with Creativity
#5
暮らしに彩りを添えてくれる香。Juttoku.で香りを聞く
#5
暮らしに彩りを添えてくれる香。
Juttoku.で香りを聞く
女優/MEGUMIさんがもっと豊かなおうち時間を送るために様々な専門家と出会うこの企画。

第5回目は、俳優の和田正人さんをゲストに迎えて神楽坂にあるJuttoku.(ジュットク)を訪ねた。ここでは天然香料のみを原料としたお香の販売のほか、心や身体だけでなく空間も癒してくれるお香を作るワークショップが体験できる。
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優しい香りが広がる店内は。明るく和モダンな印象
最近までドラマ『探偵が早すぎる~春のトリック返し祭り~(読売テレビ・日本テレビ系)』の撮影で一緒にいることが多かったというMEGUMIさんと和田さん。「久しぶりっていう気がしないね」と笑うMEGUMIさんは和田さんの妹役を演じていたという。作品の中では兄役だった和田さんは「MEGUMIちゃんはしっかりしていて、姉御っていう感じだから最初年上なのかなと思ってた」と出会った印象を振り返る。「チャキチャキしてるから姉御っぽいんですよ。たぶん今日のお香作りも私早いですよ(笑)」と笑うMEGUMIさん。早速、ワークショップが始まった。

すでに、お香の優しくどこか懐かしい香りが広がっている店内。和モダンな店内はシンプルで明るく、2人の表情も自然と柔らかく綻んでいた。出迎えてくれたのはオーナーの井口さんだ。お香の香りは身体に吸い込むため、香りがいいだけではなく身体にも優しくなければいけないと考えているという。2人の前にまず登場したのは原料となる天然の香料だ。
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海外の香原料を日本人らしい感性で楽しむ
「忙しない毎日の中でも、お香を使う時は少しでも静かな時間を楽しんでもらいたいと思っています。同じようにこのワークショップでもゆったりとした感覚を味わってもらえれば」と井口さん。まずはそれぞれの香りを確認する。今回用意されていたのは「白檀(ビャクダン)」、「龍脳(リュウノウ)」、「丁子(チョウジ)」、「桂皮(ケイヒ)」、「山奈(サンナ)」、「甘松(カンショウ)」、「大茴香(ダイウイキョウ)」、「藿香(カッコウ)」、「乳香(ニュウコウ)」の9種だ。「白檀は知ってる! 私好きなんです」と一番に香りを確かめるMEGUMIさん。和田さんは「あれ、この匂い知ってる気がする。火鍋屋さんの匂い?」と大茴香を手にする。実は大茴香は八角とも呼ばれており、中華料理には欠かせないスパイスのひとつだ。「お香は日本のイメージなのに、原料は海外のものなんですね」と和田さん。

「『日本書紀』によると、お香は595年に淡路島(兵庫県)に漂着した香木から始まっています。薪にしようと火をつけたところとてもいい香りがしたそうですが、その時の香木も海外から流れてきたものです。それだけでなく、お香の原料はすべてインドネシアやベトナム、中国からきていて、日本のものはないんですよ」

気候などの影響で、日本では香原料は生育できない。海外の原料をもとに、日本人らしい感性で作られているのがお香なのだという。
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自由な調合から2人の個性が見えてくる
9種の香りを確認した後は好きな原料を選び調合していく。「少しずつ香りを聞いて選んでいってくださいね」と井口さんが2人に説明する。匂いを嗅ぐのではなく、目に見えない香りを心の中でゆっくりと味わうという意味をこめて「聞く」という言葉を使うということだ。
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まずはお気に入りだという白檀を取ったMEGUMIさんは「いい香り」と、次々に気になる原料を選んでいく。「毎日忙しいと気持ちが殺伐としてきちゃうんだけど、この作業は癒しですね」と楽しそうな姿が印象的だ。

「形になってきた気がする」と言いながらも「もう少し夏っぽい、これからの季節に合う香りにしたい」と微調整に余念がない和田さん。和田さんの実家は高知県でお遍路をする人たちも周りに多く、お香やお線香の香りには馴染みがあるという。それだけに思い入れが強いのかもしれない。

悩む和田さんに「藿香は瑞々しくて、乳香は甘いけど酸味もあって爽やかだよ」とアドバイスするMEGUMIさん。その的確なコメントには井口さんも「その通り」と驚いているようだった。

原料は器の中でしっかりと混ぜていく。ここでは満遍なく混ぜるのがポイントで、実際に調合していくと香りの変化にも気が付ける。「本人がいいと思えば、それがいい香り」という井口さんの言葉に背中を押され2人の調合が終了した。
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調合した原料はつなぎの粉と水を入れ混ぜ合わせると、柔らかな粘土のような質感に変わった。これを1〜2mmの厚さに伸ばし、好きな型で整えていく。ここでワークショップは終了となり、最後は自宅で3日程度乾かしたら完成だ。
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ほのかな香りと過ごす豊かな時間
「かわいい!」

木箱に並べた印香を手にして笑顔を浮かべるMEGUMIさん。「お香って、ほのかに香りがするのも日本らしくて、自分の感性も高めてくれるようだし、もともと大好きなんです。自分で作ってみて、作っている時間もまるで瞑想しているような心が安らぐ気持ちになれたのがよかったです」とワークショップを振り返る。

「これから夏に向けての季節に自宅のベランダを活用したいと思っていたから、今日作った印香はベランダで焚いてみたいですね。爽やかな夏の香りをめざしたからぴったりだと思う」と和田さんも満足そうだ。「それにしてもMEGUMIちゃんはあんなにさくさく作ったのに、香りはこんなに上品なんだね」と違いの印香を比べて感想を漏らす和田さん。MEGUMIさんも「私は早いけど繊細なのよ!(笑)」と笑いながら答えていた。

日常をほのかな香りで包んでくれるお香は、平安時代は着物に焚き付けたり、手紙に香りを付けたりするのにも使われていたという。日本人らしい豊かでやさしい発想に、MEGUMIさんも改めて奥深さを感じているようだった。
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撮影協力:Juttoku.
「たいらけく、やすらけく」をキャッチコピーに、2014(平成26)年に弁天町にオープンしたお香ブランド。
「Juttoku.(ジュットク)」のお香は、日本人が大切にしてきた自然を愛でる和の精神を紡ぎ、心が和らぐ香りあふれる暮らしを提案する。お香は身体に吸い込むものでもあるため、合成香料を一切使わず、貴重な天然の香料の「良質」な部分だけを厳選して製造。
また、香りは原料の特徴・相性などの全てを熟知したマイスター「香司」の方によって調合されている。
店内にはそうした自然な香りのお香が並び、静かで心癒される。火を使用せず置くだけで香る「印香」はそれぞれの色や形が愛らしく、そのほかスティックタイプなどの販売や、印香づくり、香袋づくり、塗香づくり体験も行っている。

Juttoku.(ジュットク)のHPはこちら

※今回は撮影のため、特別にこちらのスペースを使用しております。
通常のワークショップは店内の別スペースでの実施となりますのでご注意ください。
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