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Interview
A Life with Creativity
#4
Minimalで学ぶ引き算の哲学
#4
Minimalで学ぶ引き算の哲学
女優/MEGUMIさんがもっと豊かなおうち時間を送るために様々な専門家と出会うこの企画。

第四回は代々木公園駅から徒歩6分、渋谷区富ヶ谷にある板チョコ専門店・Minimalを訪ねた。甘いだけではなく、豆の香ばしさも感じる店内。ここでは、カカオ豆からの手作りチョコレートワークショップに参加することができる。
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チョコレートを豆から作るという考え方
「前から伺いたいと思っていたんです!」

出迎えてくれたオーナーの山下貴嗣さんを見つけるなり、そう笑顔を見せるMEGUMIさん。なんでもニュース記事で山下さんのチョコレートについての思いを知り、以前から興味を持っていたのだという。 MEGUMIさんも金沢でカフェ「たもん」を運営しているため、店舗で提供するスイーツについての情報収集は欠かさない。その中でも特に気になっていたのが、チョコレートだった。

「嫌いな人いないんじゃないかっていうくらい、みんなチョコレートが好きですよね。撮影現場にもよく持っていっていますよ。撮影が長引いて疲れたときや、気分転換したい時に一欠片食べるんです」

普段からも板チョコを選ぶことが多いというMEGUMIさんに「今日はBean to Bar(ビーントゥーバー)というコンセプトの通り、豆からチョコバーを作りましょう」と山下さん。Bean to Barは、カカオ豆からチョコレートバーを作るまでの製造過程を指している。2000年代後半から海外を中心に、クラフトチョコレートのムーブメントが起きているそうだ。多くのショコラティエはすでに出来上がっているチョコレート生地を使用するが、そうではなくカカオ豆からチョコレートに向き合うという考え方。さっそく、ワークショップがスタートした。
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厳選されたカカオ豆を最大限に活かすチョコレート作り
まずMEGUMIさんの前に並べられたのは、いくつものチョコレート。すべてカカオ豆の種類が違うのだという。

「豆の違いで、味がどれくらい違うのか実際に食べてみてください」と山下さんに促され試食するMEGUMIさん。「全然違いますね!」と驚きの声が上がった。

「第一回ではコーヒー豆の違いを知ったんですが(『A Life with Creativity#1』)、チョコレートもこんなに違うんだ。酸味があったり、華やかな風味だったり・・・全然違うんですよ」

一番気になるとMEGUMIさんが選んだのは、飴がけナッツのような風味が特徴のナッティーだ。今回はチョコレートらしい甘い香りも楽しめるこのナッティーを使って、チョコレートを作っていくことになった。

カカオの木は赤道付近の高温多湿の環境で育つ。Minimalでは実際に山下さんが各地の農園に足を運び、選びぬかれたカカオ豆からチョコレートが作られている。日本には素材本来の持ち味を楽しむ文化的背景がある、と言う山下さんのこだわりだ。

「カカオ豆の個性を最大限に活かすためにも、余分なものは入れないでチョコレートを作ります。だからうちのチョコレートの原料はカカオ豆と砂糖だけ。店名のMinimalが示すようにシンプルで必要なものだけを選ぶことで、本物のチョコレートを作りたいと思っています」
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甘い香りを楽しみながらの作業工程
すでに焙煎されたカカオ豆の殻をむくところから、チョコレート作りは始まった。「カカオ豆は初めて見た」とMEGUMIさんも興味津々。

カカオ豆の成分の半分はカカオバターなので、粉砕機を使って砕いていくとだんだん油が溶け出すのがわかる。味見をしたMEGUMIさんは「香りがチョコレートなのに全然甘くない。でも苦味のあるチョコレートらしい味はしますね」と驚きの表情だ。

「今はカカオバターが溶け出しチョコレート生地になっていますが、その前の粉砕した状態が『カカオニブ』です。逆に言うと、カカオニブを粉砕機にかけ続けると摩擦でカカオバターが溶け出し、チョコレート生地になるというわけですね。カカオニブはアイスやヨーグルトにトッピングしたり、お酒が好きな人はリモンチェロの香り付けに使ったりもしていますね。そのままポリポリ食べるのもくせになりますよ」と山下さん。
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その後は生地に砂糖を混ぜ、型に流し込んでいく。MEGUMIさんの手際の良さには山下さんも「うちに就職してほしい(笑)」とポロリ。最後は冷蔵庫で20分間冷やせば完成だ。

「原料だけじゃなく、作り方もとってもシンプルなんですね。何が入っているかも自分でわかるから、スイーツなのにギルティーフリーに食べれそう」
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身体や心が本物を求めている
「砕いたカカオの食感がほのかに残っていて、優しい甘みがおいしいです」と自分で作ったチョコレートを食べながら頬を綻ばせるMEGUMIさん。集中するために気持ちを切り替えたい時にチョコレートを食べるということだが、最近ではほかのシチュエーションも増えたという。

「一休みしたい時や、リラックスしたい時って心が身体にいいものを求めている気がするんです。スイーツは心をふぅーっと緩めてくれるけど、ただ甘いだけじゃダメなんですよね。グルテンフリーを意識する人が増えているのも、そういう気持ちがあるんじゃないでしょうか。余分なものを省いた『引き算のチョコレート作り』は身体にも心にも嬉しいチョコレートだなと思いました」

最後は撮影スタッフにも「ギルティーフリーなチョコレートを食べてみてください」と完成したチョコレートを振る舞ってくれた。
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撮影協力:Minimal
Minimal は世界のカカオ産地を訪れ仕入れた良質なカカオ豆から、国内外のトップパティスリーで腕を磨いてきた職人が一つ一つ手仕事でチョコレートの製造を行う。
素材のカカオは現地で発酵・乾燥作業の研究やレクチャーを行い、カカオ農家と一緒に高品質高単価に適うフレーバーの開発に取り組んでいる。
素材を活かす“引き算”の思想と独自製法により、国際品評会で 6 年連続 69 賞を受賞。基本に忠実に、一方で伝統や手法にはとらわれない自由な発想で皆さまの生活に彩りを加える「こころに遺るチョコレート」を手掛けている。

ManimalのHPはこちら

山下貴嗣
1984年岐阜県生まれ。
チョコレートを豆から製造するBean to Bar(ビーントゥバー)との出合いをきっかけに、世の中に新しい価値を提供できる可能性(新しいチョコレート体験の提案や農家を巻き込んだエコシステム創り)を見出し、2014年に渋谷区・富ヶ谷にクラフトチョコレートブランドの「Minimal -Bean to Bar Chocolate-(ミニマル)」を立ち上げる。
カカオ豆を活かす独自製法を考案し、設立から3年で、インターナショナルチョコレートアワード世界大会Plain/origin bars部門で日本初の金賞を受賞。2017年にはグッドデザイン賞ベスト100及び特別賞「ものづくり」やWIRED Audi INNOVATION AWARD 2017 30名のイノヴェイターにも選出される。
夢は「世界中の美味しいカカオを食べること」。
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