CELVIANO Grand Hybrid

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン
「熱狂の日」音楽祭2016 協賛レポート

CELVIANO Grand Hybrid 特設ブース

CELVIANO Grand Hybrid ミニコンサート

5月5日(木・祝) ①11:00-11:30 / ②14:10-14:40 / ③17:10-17:40

出演アーティスト: 伊賀あゆみ&山口雅敏ピアノデュオ/ゲスト:ヴァイオリニスト高井敏弘

最終日の3日目は、アクロバティックでエンターテイメント性あふれる伊賀あゆみさんと山口雅敏さんの“進化系”ピアノデュオによる演奏です。3回のコンサートいずれも違う演目で披露していただき、1回目と2回目にはNHK交響楽団第一ヴァイオリンの高井敏弘さんをゲストに迎え、バラエティに富んだ演奏を披露。わかりやすい曲の解説も含めたステージを展開していただきました。

演奏曲目(14:10-14:40の回)

  • ・ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第5番「春」より 第1楽章(vn.高井敏弘 pf.伊賀あゆみ)
  • ・ツファスマン(伊賀あゆみ編曲):雪の結晶 (pf.伊賀あゆみ&山口雅敏)
  • ・サン=サーンス:白鳥(vn.高井敏弘 pf.伊賀あゆみ)
  • ・サン=サーンス(G.アンダーソン/伊賀あゆみ編曲):白鳥 (pf.伊賀あゆみ&山口雅敏)
  • ・サン=サーンス(ホロヴィッツ/山口雅敏編曲):死の舞踏 (pf.伊賀あゆみ&山口雅敏)
  • -アンコール-
  • ・ポンセ:エストレリータ(vn.高井敏弘 pf.伊賀あゆみ)

伊賀さんのトークから、ミニコンサートがスタート。
伊賀さん「このCELVIANO Grand Hybridは、素晴らしい技術を持った歴史あるピアノメーカーであるベヒシュタインと、デジタルのカシオとのコラボで生まれた、文字通りハイブリッドなピアノです。私たちピアニストにとっては夢のようなコラボで、これまでに無い、いろんなことができるこのピアノにワクワクしています。このピアノでコンサートをするのは今日が初めてで、さらに屋外のステージなのに響きが豊かで、とても気持ち良く弾かせてもらっています。
CELVIANO Grand Hybrid は3つのピアノの音をボタンひとつで選べますが、それも単なる3つではなく、コラボしたベヒシュタインをはじめ世界的に有名なピアノの音です。作品や時代に合わせて選ぶことができるので、その作品が作られた当時をイメージできる音で奏でることによって、作品をより深く理解できますし、聴いている人にもそのことが伝わりやすいと思います。最初の曲は古典派の曲なので、ウィーン・グランドの音色でお聴きください。」

ヴァイオリンの高井さんとのアンサンブルで、ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ第5番「春」を演奏。
高井さん「電子ピアノとのアンサンブルということで、最初は少し不安がありました。しかし、合わせてみると驚くほどやりやすくて違和感がありませんでした。」

続いては伊賀さんと山口さんの連弾曲。高井さんに代わって山口さんが登場。
山口さん「あまり経験のない屋外でのコンサートということで、風を感じ、皆さんの熱気を感じて興奮しています。私たちは普通の連弾とは一味違う『進化系連弾』という活動をしています。手の交差はもちろん、身体も交差させながらのアクロバティックな演奏で、見た目にも楽しんでいただけると思います。4本の手、20本の指で奏でるので音数が多く、その中でお互いが弾く音を聴きながら、そして音量が大きい低音部と小さめの高音部とのバランスを取りながら演奏する必要があるのですが、このCELVIANO Grand Hybridはひとつひとつの音の響きが聴きやすく、バランスを取るためのタッチの加減にも繊細に反応してくれるので、いつものアコースティックピアノのようにとても弾きやすく感じます。
そんなところにも注目していただきながら、次の曲をお楽しみください。」

ロシアにジャズを広めたツファスマンの「雪の結晶」で、お二人の「進化系連弾」を披露していただきました。尚、この回ではハンブルク・グランドの音色での演奏でしたが、次の回のコンサートでは、多彩な音色で楽しめることを伝えるべくホンキートンク・ピアノの音色で演奏していただきました。

伊賀さん「次はサンサーンスの『白鳥』を、ヴァイオリンとピアノのアンサンブルと、連弾アレンジで2回続けてお聴きいただきたいと思います。この曲は組曲『動物の謝肉祭』の中の1曲で、オーケストラでは主旋律はチェロで演奏されますが、名曲なので、さまざまな楽器・さまざまなアレンジで演奏されます。今回は、ヴァイオリンとピアノではほぼ原曲のアレンジです。ピアノ連弾では、ピアノは弦楽器と違ってどうしても音の減衰があるので、細かい音でそれを埋める煌びやかなアレンジをしています。ですが、このCELVIANO Grand Hybridは弱音でも音の伸びがあるので、違和感なく気持ちよく弾くことができます。」

この2回続けての「白鳥」は、ベルリン・グランドの音色で演奏いただきました。
山口さん「手の交差で表現した、二羽の白鳥が水面を寄り添っていて途中で交差する瞬間を見ていただけたでしょうか?」

最後の曲、サンサーンス「死の舞踏」も「進化系連弾」で披露。
山口さん「この曲は音でストーリーを表現しています。まず夜中の12時に鐘が12回鳴ります。すると、ガイコツが1体・2体・・・と墓場からどんどん現れてワルツを踊り出し、やがて大舞踏会となりますが、一番盛り上がったとき、ニワトリの「コケコッコー」とい鳴き声が聞こえてきます。朝が来たぞ!ということで、ガイコツたちは墓場に帰っていきます。そういった情景を思い浮かべながら聴いていただけると、より楽しんでいただけると思います。この曲は超絶技巧を要する曲で、このCELVIANO Grand Hybridの鍵盤を88鍵端から端までフルで使っての演奏となりますので、お楽しみください。」

すばらしい熱演の後、拍手は鳴り止まず、アンコールとなるメキシコの作曲家ポンセの「エストレリータ(小さな星)」を、伊賀さんのピアノと高井さんのヴァイオリンのアンサンブルで披露されました。この曲は伊賀さんのリクエストによるもので、好きな人を思って「どうかこの想いを届けて!」と星に語りかける、といった歌詞が付いているのだそうです。

尚、1回目(11:00-11:30)のステージでは、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2016のテーマである「ナチュール-自然と音楽」にちなみ、モシュコフスキー「火花」を伊賀さんのソロで、ファリャ「火祭りの踊り」を伊賀さんと山口さんの連弾で披露。

3回目(17:10-17:40)のステージでは、シューマンの「君は花のように」「献呈」(ミルテの花より)を山口さんのソロで披露していただきました。
伊賀さん「今、聞いていましてCELVIANO Grand Hybridは低音の響きがとても豊かですね。かなり状態の良いフルコンサートグランドをホールで弾かないと、ここまでの低音の響きは出ないように思いました。ペダルを使ったときの響きも豊かですよね。」
山口さん「これらの曲は、ペダルがとても大事です。ペダルを繊細に使って、いかにピアノを歌っているかのように自然に響かせるかが重要なのですが、CELVIANO Grand Hybridではそれが可能なんです。」
そして、最終日の最大の盛り上がりは、貴重なラヴィーナの編曲によるベートーヴェンの交響曲第9番より第4楽章「歓喜の歌」。伊賀さんと山口さんの連弾での演奏で、会場の熱気は最高潮に。そしてアンコール曲、ハチャトゥリアン「剣の舞」で、3日間の大盛況だった地上広場CELVIANO Grand Hybrid特設ブースでのミニコンサートは幕を閉じました。