C.ベヒシュタインとセルヴィアーノ グランド ハイブリッドに共通した、
個性的な「音」と「タッチ」、唯一無二の「表現力」。
そこに楽器としての可能性を感じさせてくれました。

“今日は、好きな「音色」のために、ハンマーの反応の速さや弦共鳴の響きを、私の表現したい方向に調節してGHを弾きました。”

近藤

“音が濁らない、響きが濁らない。ひとつずつの音がきっちり立ち上がるのが、このピアノの特徴の一つです。”

加藤

今日はユーロピアノの汐留ベヒシュタイン・サロンにお邪魔して、C.ベヒシュタインのグランドピアノを愛し、リサイタルなどでもたびたび弾かれている近藤嘉宏さんと、C.ベヒシュタインのピアノづくりをドイツ本社で学ばれ、その構造から調律まで日本の第一人者と言われる加藤正人さんにお話をお伺いしました。特に近藤さんは「その音色、タッチを受け継いだセルヴィアーノ グランド ハイブリッド(以下GH)を生んだ、カシオの楽器づくりに深く共感している」と仰っていて、GHでの演奏も交えたリサイタルも行っていらっしゃいます。

近藤さんは、C.ベヒシュタインのどういう所に魅力を感じていらっしゃいますか。

近藤―音色が好きですね。例えば高音の、少し明るい感じのする立ち上がりがあって、金属っぽくない木の響きがするところ。そして低音は引き締まっていて、発音がはっきりしているところですね。
タッチで言えば、音楽を揺らすようなことをしなくても、音色だけで思った表現が可能です。その方が豊かで品位があるように思います。そういう部分をこのピアノは繊細に、細かく、多くの種類持っている気がします。

加藤さんにお伺いします。ピアノ製造マイスターとして、
C.ベヒシュタインの印象や特徴をお聞かせ下さい。

加藤―C.ベヒシュタインの工場で言われるのは「人の声のような音づくりをしよう」ということ。つまりニュアンスのことです。例えば同じドの音でも、弾き方によってドの色が変わってくるんです。ピアノも同じで機嫌の良いドミソも、そうでないドミソもありますから、ピアニストが自在に表現できる。そんな楽器をつくることが大事なんです。

近藤さんには、GHの、ベルリン・グランドの音色でも
弾いて頂きましたがいかがでしたか。

近藤―まさにC.ベヒシュタインの音で、やはり大好きです。自分自身とても癒やされる音です。立ち上がりが早く、すっと消えていく所なども同じ印象ですね。GHからは、同じ個性的な音が生まれてきます。
C.ベヒシュタインのタッチは繊細で段階が多く、音色とニュアンスに敏感に反応して、ルバートなどを行わなくても、音色だけで自分の表現ができるのですが、GHも同じで弾いている感触は本当にリアリティがありますね。
さらに、弦の共鳴の感じや鍵盤が戻るときの音、ダンパーやペダルの音など、演奏するともうひとつのC.ベヒシュタインというか、リアルな雰囲気がします。
細かな調整ができるのもグランドピアノに近いですね。自分の表現したい方向に音を仕上げる選択肢があるのは、ピアニストの新しい可能性に繋がると思います。

加藤さん、マイスターの眼で見て、手で触られてGHの
タッチや音などについてご意見はありますか。

加藤―鍵盤が指を押し上げる感じは、アコースティックピアノですね。指で鍵盤をすっと触った時の、指と鍵盤の吸い付き方に違和感がないです。鍵盤部分の構造もピアノそのものです。慣性モーメントのバランスが、よく計算されていると思います。
GHは演奏が上手い方と普通の方の響きの違いが、はっきり分かります。弾き手のニュアンスの違いが表われるところも、C.ベヒシュタインと変わらない部分ですね。

ピアニストとして、ピアノ製造マイスターとして、
最後にGHについて、ひと言頂けますでしょうか。

近藤―GHのベルリン・グランドの音色で、これまでの電子ピアノでは叶わなかった、C.ベヒシュタインの繊細な音色を体感してください。「この音色が良いな」「好きだな」という音の違いに気付き、知ることで耳が育てられ、音楽に対する感性が育まれるように思います。

加藤―演奏者との対話の中でピアノが進化してきたように、GHも音楽的な意味での音色の個性を磨きながら、「楽器」として大きく成長していく可能性を感じました。

近藤嘉宏

1968年、川崎市生まれ。4歳からピアノを始め、桐朋学園大学を首席で卒業。1987年日本音楽コンクール第2位。卒業後ミュンヘン国立音楽大学においてゲルハルト・オピッツのもと研鑚を積み、1992年ミュンヘン交響楽団との共演でデビュー。1995年国内デビュー。翌年CDデビュー。2004年ニューヨークのカーネギーホールに、2006年にムジークフェラインにデビュー。2016年にはミュンヘンのマックス・ヨゼフ・ザールでリサイタル、またウィーンのムジークフェライン大ホールにベート-ヴェンの「皇帝」でデビューするなど、色彩豊かな美音としなやかな音楽性は多くのファンを持つ。

加藤正人

ユーロピアノ(株)代表取締役社長 ドイツピアノ製造マイスター(Klacierbaumeister) 日本ピアノ調律師協会会員 国際局参与(2007 年) 1982年国立音楽大学別科調律専修修了 1984年社団法人 日本ピアノ調律師協会会員 1988年ベルリン市ベヒシュタイン本社技術研修 1993年ピアノ製造マイスター試験合格[ レコーディング] 近藤嘉宏 C.ベヒシュタインD280使用 ベートーヴェン ピアノソナタシリーズ等、その他多数作品。

DATA

[汐留ベヒシュタイン・サロン]
2012年9月にオープン。最大80席のホールS.S.ザール1は、C.ベヒシュタインD282 コンサートグランドピアノを設置。そのほか、C.ベヒシュタインプレミアムB160、W.ホフマントラディション T161を備えたスタジオA、C.ベヒシュタインL167を備えたスタジオB、さらに使いやすい2つのスタジオを持つサロンです。
住所:〒105-0021 東京都港区東新橋2-18-2 グラディート汐留1F 電話:03-6432-4080
営業時間:平日・土曜・休前日 10:00~21:00 日曜・祝日 10:00~19:00 定休日:火曜日(祝日の場合は営業)
http://www.euro-piano.co.jp


[ユーロピアノ東京本社 ショールーム]
〒157-0061 東京都世田谷区北烏山9-2-1 電話:03-3305-1211 営業時間:9:00~18:00 定休日:水曜日 

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