「ゴールデンウィークの風物詩
“ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン”にカシオが今年も参加。」

日本最大級のクラシック音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017」。今年は「ラ・ダンス 舞曲の祭典」をテーマに5月4日~6日、東京国際フォーラムを中心とするエリアで開催されました。このイベントにカシオは今年も参加。東京国際フォーラム ガラス棟地下1階に設置された、国内唯一のクラシック専門インターネットラジオ局「OTTAVA(オッターヴァ)」のオープンスタジオでミニコンサートを開催。赤松林太郎さん、そして伊賀あゆみさんと山口雅敏さんのピアノデュオによる演奏でセルヴィアーノ グランド ハイブリッドの魅力を堪能いただきました。

「音楽祭は、人と街と アーティストがふれあう場。」

5月5日、演奏を終えた赤松林太郎さんにインタビュー。ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンについてお聞きすると「欧州には多くの街に音楽祭があります。世界から一流の演奏家が集い、コンサートホールと違ってお客様とアーティストが間近でコミュニケーションできるわけです。日本の都市にもこうした文化が根付いたことは、とても素晴らしいことだと思います」。以下、セルヴィアーノ グランド ハイブリッドでの演奏についての赤松さんのお話をご紹介します。

一粒一粒の音が絡み合い、美しい色を描き出す。CELVIANO Grand Hybrid は、ポリフォニーを堪能させてくれる楽器だ。

今日はセルヴィアーノ グランドハイブリッド(以下GH)の3つの音色で曲を弾き分けていただきましたが、
赤松さんのなかで音色を使い分ける基準はあるのでしょうか?

赤松氏(以下、敬称略)勿論あります。今回ハンブルク・グランドの音色では「子犬のワルツ」や「アディオス・ノニーノ」を演奏しましたが、基本的に「華やか」な曲はこの音色で弾くことが多い。ウィーン・グランドは低音域に行くほど「響きが太くなる」音色なので、今日は「熱情」を選びましたがベートーヴェンを弾くときにはとてもいいと思います。

「ベルリン・グランドは、和音にしたときの親和性が高い音色だと思う。」

ラフマニノフの「鐘」をベルリン・グランドで演奏された理由は?

赤松「鐘」はあの通り、分厚い曲ですが、ただ音が大きければいいというわけではない。積み重なる音の厚みのなかに多様な彩りがあります。それを立体的に聞かせたいから、私は和音にしたときに親和性の高いベルリン・グランドを使いました。ベルリン・グランドというのはデリケートな音の変化を表現できる、そして和音にしたときに音を積み重ねた層が一つ一つきちんと見える音です。私たちはよく「ポリフォニー」という言い方をしますが、音が重なったときに生まれる色や香りを感じてほしいときには、ベルリン・グランドで弾いてみるといいかもしれませんね。

「GHは“離鍵”したときの、音の消え方が美しい。」

コンサートで「離鍵」時の感覚についてお話されていましたが

赤松ええ、打鍵に対して離鍵と言いますが、ピアノの鍵盤というのは打つだけではなく、離すときも大事なんですね。鍵盤を弾いたらその後、音が増幅することはない。基本的には減衰しかしないわけです。この減衰するときの美しさというのが、アコースティックピアノの美しさなんです。音によって空気が震え、それが薄らいでいく状態。その余韻のなかで次の音が重なってくると、新たな震え、新たな感動が生まれるわけです。

GHの音の消え方について、赤松さんはどうお感じですか。

赤松そうですね。すごくコントロールされていると思いますよ。パッと離せば乾いた音になりますし、ゆっくり離せば粘りのある音になります。私たちピアニストは、ふだんは弦の減衰を感じながら指を操るわけですが、GHはその指を離す瞬間をシミュレーションして音色を作っている。だからアコースティックピアノと同じような印象を持って、イメージングしながら弾くことができる。これほどまでにデジタルピアノのタッチが進化してきたのは、まさにテクノロジーの勝利だと思います。

鍵盤を離した後の音の消え方も、指の離し方で操れるアコースティックピアノに近い。

「GHはアーティストの創造力を刺激する。」

赤松音にリアリティがあり、鍵盤のクオリティが高い。そういう点で、カシオのGHはアコースティックピアノに限りなく近づいている。その一方でGHには進化したデジタルピアノだからできることもあります。その両方の特性や利点を操ることができるのは人間の力なんです。だからただ伝統に執着するのではなく、革新的な技術がもたらす新たな可能性に目を向けることで、ピアニストとしてさらに表現の幅を広げていくことができると私自身は思っています。

赤松 林太郎 さん

2000年にクララ・シューマン国際ピアノコンクールにて第3位を受賞。国際コンクールでの受賞は10以上。日本国内はもとより世界中で公演。近年では、ウィーン各地での室内楽コンサート、ドナウ宮殿でのドナウ交響楽団との共演で成功を収める。ブダペスト国際ピアノマスタークラス講師、洗足学園音楽大学客員教授。

連日、大勢のお客様がセルヴィアーノグランド ハイブリッドを試弾。特にアコースティックピアノを所有されている方からの関心が高く、「アコースティックと変わらない感触だった」「3つの音色を同じ曲で弾き比べましたが、全く別の音色で楽しかった」といった感想をいただきました。

Vol.6 OTHER ARTICLESその他の記事

CELVIANO Grand Hybrid ホームへ