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国内外で活躍するピアニスト・赤松林太郎さん。食にも造詣が深いことで知られている赤松さんが、音楽と食事の共通点を探るこの企画。第14回の今夜、赤松さんが訪れたのは麻布十番でオスマン帝国宮廷料理を通してトルコの宮廷文化を発信している名店「ブルガズ・アダ」です。モダンで洗練された店内には、トルコの伝統的な雑貨がさりげなく飾られ温かみも感じられます。
休暇で訪れたイスタンブールの街を思い出す
昨年は仕事で海外に行く機会も多かったけれど、ちょうどヨーロッパ滞在中に時間が出来て、トルコのイスタンブールで休暇を取ることができたんです。1週間の滞在で、改めて東と西の文化が融和した華やかな街だと思いました。朝はコーランが街中に響き渡り、その声で目覚めます。イスラム世界の住人になったような感覚に陥ります。異国情緒あふれるイスタンブールらしい風景ですね。街を歩いていて、親日家でフレンドリーな人に多く出会ったのも、イスタンブールが好きになった理由です。滞在中はロッシーニのオペラを見に行きました。オスマン帝国はイタリアとの文化的なつながりも深く、ヨーロッパの王侯貴族が好んでいたオペラに興味を持ち、宮廷に取り入れました。外からの文化も巧みに受け入れつつ、トルコらしさを守り、近代に向かっていった歴史を垣間見ました。トルコ人の懐の深さにもつながるのでしょう。
プレゼンテーションも美しい宮廷料理は豪華でありながらも繊細
まずいただいたのはスープです。ブイヨンをベースに、オルガノの香りがすっきりさわやかで、食事のスタートにはぴったり。知っているはずの香りでも、組み合わせによってまったく新しい味との出会いになるのがうれしいですね。一緒に出していただいた白ワインも、マスカット原種を使ったもので、ヨーロッパのワインとは少し違いますね。
そして二皿目は前菜のプレートです。トルコ料理では、前菜としてメゼという小皿料理が出てきます。このプレートには9種類の前菜が並べられ、ラタトゥイユやアーティチョークなどがずらり。その中でも「オムレット」は皇帝のお気に入りだったそうです。シェフのメフェット・ディキメンさんは、宮廷料理は手間暇を惜しまずかけた豪華な食事というだけではなく、皇帝の健康を一番に考えた料理だと話してくれました。皇帝の健康のための食事・・・たしかにそうですよね。もともと食事は健康に直結しているし、体調が悪い時は薬でもある。食事の原点を改めて教えられた思いです。
三皿目は魚料理です。トルコでよく食べられているオナガダイをいただきました。ふんわりと焼かれたオナガダイにタマネギやイタリアンパセリの風味が重なります。これは16世紀の調理法だそう。古代品種のブドウを使ったロゼと合わせていただきましたが、軽やかで蜜の感じもするワインでした。うかがったところ、絶滅危惧種であるブドウの品種を今トルコで育て直しているそうで、歴史を大切にする様子がわかりますね。
そしてメインは、このレストランの看板メニューでもあるラムチョップです。焼きナスのヨーグルトソースや生ごまのペーストなどが添えられていました。繊細なソースがお肉のうまみを増幅してくれるようで、口の中でうまみが爆発するようでした。柔らかさと甘みにハーブが絶妙に混ざり合い、至福のシンフォニーを生み出してくれました。ラムは大好物ですが、ここまで洗練されているとさすが宮廷料理!とうなるしかありません。すべてのお皿に共通することですが、素材を大切にしながらもスパイスやハーブをうまく使用し、五感を刺激するように作られていました。トルコ料理が世界三大料理と言われるのがわかりますね。
独自性のある音楽から感じる力強さ
地理的な位置と歴史的な背景からも中東や中央アジア、西洋などのいろいろな文化から影響をうけたトルコ音楽。その象徴でもあるのがメフテルと呼ばれる軍楽隊の音楽です。イスタンブール滞在中には軍事博物館を訪れ、実際にメフテルの演奏会を聴くこともできました。軍楽隊といっても、演奏されるのは戦いの時だけではありません。皇帝に随行したり、宗教行事などでも披露されていました。
今回演奏したのは、モーツァルトの有名な「トルコ行進曲」です。まさに行進していく様子が感じられる力強さと、モーツァルトによって施されたエスプリを一緒に感じてもらえるといいですね。
今回演奏したのは、モーツァルトの有名な「トルコ行進曲」です。まさに行進していく様子が感じられる力強さと、モーツァルトによって施されたエスプリを一緒に感じてもらえるといいですね。
繊細であたたかい、トルコ料理から文化を感じる
イスタンブールに滞在している時、バザールで現地に住む人とチェスをしたんです。突然チェスは出来るか?と尋ねられ、あれよあれよという間にチェス盤の前に座らされていました(笑)。合間にチャイもいただいて、パワフルで心温まるおもてなしでしたね。多くの文化を受け止めてきたこの街の懐の深さを、至るところで感じることができました。
「ブルガズ・アダ」でいただいた宮廷料理はどれも繊細で考えられたものでしたが、お客さんが注文してから食材に火を入れるなど、一番おいしい時に提供したいというシェフのおもてなしの心も感じました。おいしさだけではない、人の温もりに触れた食事になりました。
「ブルガズ・アダ」でいただいた宮廷料理はどれも繊細で考えられたものでしたが、お客さんが注文してから食材に火を入れるなど、一番おいしい時に提供したいというシェフのおもてなしの心も感じました。おいしさだけではない、人の温もりに触れた食事になりました。
赤松林太郎(ピアニスト) プロフィール
世界的音楽評論家ヨアヒム・カイザーにドイツ国営第2テレビにて「聡明かつ才能がある」と評された2000年のクララ・シューマン国際ピアノコンクール受賞がきっかけとなり、本格的にピアニストとして活動を始める。
1978年大分に生まれ、2歳よりピアノとヴァイオリンを、6歳よりチェロを始める。幼少より活動を始め、5歳の時に小曽根実氏や芥川也寸志氏の進行でテレビ出演。10歳の時には自作カデンツァでモーツァルトの協奏曲を演奏。1990年全日本学生音楽コンクールで優勝して以来、国内の主要なコンクールで優勝を重ねる。神戸大学を卒業後、パリ・エコール・ノルマル音楽院にてピアノ・室内楽共に高等演奏家課程ディプロムを審査員満場一致で取得(室内楽は全審査員満点による)、国際コンクールでの受賞は10以上に及ぶ。
国内各地の主要ホールはもとより、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オーストリア、ハンガリー、ポーランド、台湾、コロンビアを公演で回る一方で、2016年よりハンガリーのダヌビア・タレンツ国際音楽コンクールの審査員長を歴任しており、近年はヨーロッパ各地で国際コンクールやマスタークラスにも多数招聘されている。
これまでに新田ユリ、手塚幸紀、堤俊作、西本智実、山下一史、マルク・アンドレ―エ、デアーク・アンドラーシュ、ミロスウァフ・ブウァシュチック、タラス・デムチシンの指揮のもと、東京交響楽団やロイヤルメトロポリタンオーケストラ、ロイヤルチェンバーオーケストラ、デュッセルドルフ交響楽団、ドナウ交響楽団、シレジア・フィルハーモニー管弦楽団などと共演。キングインターナショナルから《ふたりのドメニコ》《ピアソラの天使》《そして鐘は鳴る》《インヴェンションへのオマージュ》《ブルクミュラー 25&18の練習曲》《わたしを泣かせてください》《クララに捧ぐ》をリリース。新聞や雑誌への執筆も多く、エッセイや教則本などの単著も次々と刊行。
現職は、大阪音楽大学准教授、洗足学園音楽大学客員教授、宇都宮短期大学客員教授、ブダペスト国際ピアノマスタークラス教授、カシオ計算機株式会社アンバサダー。
世界的音楽評論家ヨアヒム・カイザーにドイツ国営第2テレビにて「聡明かつ才能がある」と評された2000年のクララ・シューマン国際ピアノコンクール受賞がきっかけとなり、本格的にピアニストとして活動を始める。
1978年大分に生まれ、2歳よりピアノとヴァイオリンを、6歳よりチェロを始める。幼少より活動を始め、5歳の時に小曽根実氏や芥川也寸志氏の進行でテレビ出演。10歳の時には自作カデンツァでモーツァルトの協奏曲を演奏。1990年全日本学生音楽コンクールで優勝して以来、国内の主要なコンクールで優勝を重ねる。神戸大学を卒業後、パリ・エコール・ノルマル音楽院にてピアノ・室内楽共に高等演奏家課程ディプロムを審査員満場一致で取得(室内楽は全審査員満点による)、国際コンクールでの受賞は10以上に及ぶ。
国内各地の主要ホールはもとより、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オーストリア、ハンガリー、ポーランド、台湾、コロンビアを公演で回る一方で、2016年よりハンガリーのダヌビア・タレンツ国際音楽コンクールの審査員長を歴任しており、近年はヨーロッパ各地で国際コンクールやマスタークラスにも多数招聘されている。
これまでに新田ユリ、手塚幸紀、堤俊作、西本智実、山下一史、マルク・アンドレ―エ、デアーク・アンドラーシュ、ミロスウァフ・ブウァシュチック、タラス・デムチシンの指揮のもと、東京交響楽団やロイヤルメトロポリタンオーケストラ、ロイヤルチェンバーオーケストラ、デュッセルドルフ交響楽団、ドナウ交響楽団、シレジア・フィルハーモニー管弦楽団などと共演。キングインターナショナルから《ふたりのドメニコ》《ピアソラの天使》《そして鐘は鳴る》《インヴェンションへのオマージュ》《ブルクミュラー 25&18の練習曲》《わたしを泣かせてください》《クララに捧ぐ》をリリース。新聞や雑誌への執筆も多く、エッセイや教則本などの単著も次々と刊行。
現職は、大阪音楽大学准教授、洗足学園音楽大学客員教授、宇都宮短期大学客員教授、ブダペスト国際ピアノマスタークラス教授、カシオ計算機株式会社アンバサダー。
撮影協力:BURGAZ ADA ブルガズ アダ
http://www.burgazada.jp
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〒106-0045
東京都港区麻布十番3-7-4 麻布六堂3F
TEL : 03-3769-0606
営業時間
Open 17:00
Close 22:00
定休日:日曜日・不定休あり
要御予約(当日予約可)
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