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国内外で活躍するピアニスト・赤松林太郎さん。食にも造詣が深いことで知られている赤松さんが、音楽と食事の共通点を探るこの企画。第11回の今夜、赤松さんが向かったのは目黒の「セラフェ」。日本だけでなく、世界中にファンを持つこのレストランでフランスの肉文化の奥深さを知った。
雨の日に人気店に訪れる理由 お気に入りのレストランに再訪
雨の日だからこそ行ける店。僕にとって「セラフェ」がそんな店のひとつです。多くのグルメたちに愛されているレストランなので、いつも混んでいるんですよ。先日、台風が直撃した日に「もしかしたら」と訪ねてみたところ、運良く席を用意してもらえることができました。こういう天気の悪い日は、僕にとっては行きたかったお店をチェックするいい機会でもあります。もちろんあまりに天気が悪い日は、レストランも閉まっていると思うので無理をしてはいけませんが(笑)
齊田 武シェフはパリで11年も活躍され、フランスの肉文化を熟知されている人。僕もセラフェのタルタルステーキが目当てで訪れました。パリで食べるよりもおいしいタルタルに出会い、すっかりシェフとお店のファンになったので、今日の再訪が楽しみでした。
どれもがスペシャリテに フランス食文化に欠かせない肉料理
セラフェでの楽しみ方はコースでいただくこと。アミューズ、オードブル、スープ、ポワソンと順番に出てくる中で、前菜や魚料理などさまざまな料理を味わえるのがコース料理ですが、セラフェではそれがすべて肉料理なんです。どれもがスペシャリテと言えるラインナップなので、みなさんにも目で楽しんでいただけるよう、普段より写真を多めで紹介します。

まずは3種のかぼちゃを使ったスープ。バニラのような甘い香りのするバターナッツや栗カボチャ、コリンキーがブレンドされていて、複雑な旨みを楽しめます。続いては脂までおいしいパテ。梅山豚(めいしゃんとん)を使ったパテはあらびき食感も残り、食べ応えがあるのに口の中で溶けていく・・・口の中が魔法にかけられました。
カルパッチョには、思わず歓声が上がりました。何と美しい!聞いたところフランスからもこのカルパッチョを食べに来店されるグルメもいるほどだとか。カルパッチョに使用されているのはやわらかい赤身。パルメザンチーズとライムで味付けされた牛肉のカルパッチョは水っぽさがなく、肉の旨みをぎゅっと楽しめる一皿です。生肉を食べると、エネルギーやパワーをダイレクトにもらえるような気がしますね。
そして、来店するほとんどの人が注文するというタルタルステーキです。ここのタルタルはハートの形をしているんですよ。齊田シェフがカップルでシェアするとハートが壊れてしまうんだけど、と笑いながらサーブしてくださいました(笑)。こういう茶目っ気がシェフの魅力でもあり、食事を楽しくしてくれますね。タルタルステーキはフランス人にとっては国民食。調理に火を使わないから、厨房の火を落とした夜遅くでもお店で出すことができるそうです。パリではオペラを見た後に、仲間とタルタルステーキを食べながら批評を戦わせることも多く、私にとって思い出の一皿です。懐かしい味を最高の形で提供してくださるセラフェは、パリで過ごした頃に戻してくれるタイムトラベラーみたいな店です。
続いてはピエ・ド・コション。これは豚足料理で、ハーブなどで煮込んでから焼くという調理法。外はパリッと、中はトロッとしたゼラチン質の食感です。口の中でアミノ酸が爆発するようでおいしかったですね。
そしてようやくたどり着いたメインは牛肉2種の食べ比べ。ランプと内ももを用意していただき、それぞれの味わいの違いを体験します。ナチュラルな調理方法だからこそ、シェフの腕が光るんでしょうね。フランス料理といえばソース文化で、食材に対してどんどんプラスしていくイメージがありますが、セラフェでは引き算ですね。食材をいかにおいしく調理するか・・・シェフの力だと思います。

セラフェという店名は、セラーとフランス語で祭りを意味するFêteを掛け合わせた造語。C’est la fête(パーティーだ!)という意味のフランス語もあり、この言葉遊びも楽しいですね。ワイワイとた食事を楽しんでほしいというお店の思いが伝わります。そしてこの名の通り、店内には大きなワインセラーがあります。食事に合わせてワインを選ぶのではなく、今回はコースを通して楽しめるワインを選んでもらいました。用意してもらったのは熟成された赤ワイン。どの肉料理にも合う懐の深さを感じました。
食材への追求とこだわりは、音への追求に似ている
タルタルステーキやカルパッチョを取り扱うことからも、齊田シェフが食材を追求し、細部までこだわっていることがわかります。これは音楽も同じで、僕たちは一音一音を追求し、タッチにこだわり、フレーズの立体感を造形し、楽曲を作り上げていきます。細かなことに向き合いながら、物語を完成させるという点で、すごく共通点があると思いました。

今回演奏したのは、フォーレ作曲「夢のあとに」です。若く瑞々しい感性が美しい旋律となり、うっとりするような和声で彩られています。タルタルのハートを見て、この曲しかないと思いました。
Classic and Cuisine CELVIANO GRAND HYBRID
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音楽も食事も楽しんでこそ
セラフェのコンセプトをうかがい、当たり前のことながら、シェフの類い稀な感性と技術、そして精進を絶やさない真摯な態度を感じ取りました。食事をする側にただ楽しんでもらうだけのために、何という膨大な、はかり知れない才能と努力の集積なのでしょう。音楽も同じですが、文化や芸術というと堅苦しく感じられますが、楽しんでもらってこそ永続するものかもしれませんね。

今年の夏はヨーロッパでの仕事が続き、久しぶりに日本で食事を楽しみましたが、フランスの食文化に宿る「肉への愛」に、たくさんの感動とエネルギーをいただきました。夏が過ぎるといよいよ芸術の秋、そして食欲の秋。次はどんな出会いがあるのか楽しみです。
赤松林太郎
赤松林太郎(ピアニスト) プロフィール
世界的音楽評論家ヨアヒム・カイザーにドイツ国営第2テレビにて「聡明かつ才能がある」と評された2000年のクララ・シューマン国際ピアノコンクール受賞がきっかけとなり、本格的にピアニストとして活動を始める。

1978年大分に生まれ、2歳よりピアノとヴァイオリンを、6歳よりチェロを始める。幼少より活動を始め、5歳の時に小曽根実氏や芥川也寸志氏の進行でテレビ出演。10歳の時には自作カデンツァでモーツァルトの協奏曲を演奏。1990年全日本学生音楽コンクールで優勝して以来、国内の主要なコンクールで優勝を重ねる。神戸大学を卒業後、パリ・エコール・ノルマル音楽院にてピアノ・室内楽共に高等演奏家課程ディプロムを審査員満場一致で取得(室内楽は全審査員満点による)、国際コンクールでの受賞は10以上に及ぶ。
国内各地の主要ホールはもとより、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オーストリア、ハンガリー、ポーランド、台湾、コロンビアを公演で回る一方で、2016年よりハンガリーのダヌビア・タレンツ国際音楽コンクールの審査員長を歴任しており、近年はヨーロッパ各地で国際コンクールやマスタークラスにも多数招聘されている。

これまでに新田ユリ、手塚幸紀、堤俊作、西本智実、山下一史、マルク・アンドレ―エ、デアーク・アンドラーシュ、ミロスウァフ・ブウァシュチック、タラス・デムチシンの指揮のもと、東京交響楽団やロイヤルメトロポリタンオーケストラ、ロイヤルチェンバーオーケストラ、デュッセルドルフ交響楽団、ドナウ交響楽団、シレジア・フィルハーモニー管弦楽団などと共演。キングインターナショナルから《ふたりのドメニコ》《ピアソラの天使》《そして鐘は鳴る》《インヴェンションへのオマージュ》《ブルクミュラー 25&18の練習曲》《わたしを泣かせてください》《クララに捧ぐ》をリリース。新聞や雑誌への執筆も多く、エッセイや教則本などの単著も次々と刊行。
現職は、大阪音楽大学准教授、洗足学園音楽大学客員教授、宇都宮短期大学客員教授、ブダペスト国際ピアノマスタークラス教授、カシオ計算機株式会社アンバサダー。
撮影協力: 目黒セラフェ
https://www.instagram.com/cellarfete/?hl=ja
〒153-0064
東京都目黒区下目黒1丁目3−4 ベルグリーン目黒 B1F
TEL : 03-6420-0270

JR・地下鉄東急目黒線「目黒駅」西口から徒歩4分

営業時間
[平日]
Lunch 12:00-13:00LO/14:00 Close 日・月曜定休、その他 不定休
Dinner 18:00-21:00LO/22:30 Close 日曜休、その他 不定休
お子様可
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