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国内外で活躍し、食にも造詣が深いことで知られているピアニスト・赤松林太郎さん。ヨーロッパのクラシック音楽と食事の共通点を探る企画「Classic and Cuisine」は今回で10回目を迎えた。今夜はいつもと趣向を変え、音楽や食に興味のあるゲストを招いてワークショップを開催。目黒駅から徒歩10分、白金台にあるイタリア郷土料理を楽しめるイル バッティクオーレでは、楽しく興味深い話に花が咲いた。
日本におけるイタリア料理創成期を支えたシェフの味が楽しめる名店
この日は赤松さんのほかに6名が参加した。みな音楽や食、ヨーロッパ文化に興味があるということもあり、食事だけでなく赤松さんの演奏やお話に興味津々な様子。赤松さんがこの日選んだイル バッティクオーレは、日本におけるイタリア料理の創成期を支えたシェフ、フランコ・カンツォニエーレの料理が味わえる名店だ。

いつもと違う雰囲気の中で、赤松さんは参加者に向けて語りかける。

「もともと小さな国々が集まってイタリアができたという歴史からもわかるように、地域によって食文化が全然違います。すべての州に郷土料理があって、地消地産の考えも根付いている。そういう意味では保守的な国とも言えるでしょう。店内はオープンキッチンで、シェフの調理が見れるのもいいですね。どんな料理が登場するのか、今日はみなさんとワクワクしながら楽しみたいです」
素材を活かし、おいしく食べることを文化としたイタリア料理
記録的な暑さになるとも言われているこの夏だが、一皿目からそんな季節すら楽しめるメニューが提供された。

「一皿目はイタリア発祥の揚げ物、フリットですね。ヤリイカにアーティチョーク、ズッキーニのフリットに合わせていただいたのは気持ちの良い辛口の白ワイン ”Vermentino di Sardegna Tarra Noa”。アーティチョーク(イタリア語ではカルチョーフィ)はローマで馴染みのある食材で、現地では素揚げなどいろいろな調理法で愛されているそう。フリットもそのひとつということですね」
Fritto Misto カルチョーフィとヤリイカ、ズッキーニのフリットミスト
続いてはオマール海老のリゾット。シェフの得意料理ということもあり、店内には香りとともに期待が広がった。

「オマール海老の独特の香りが口の中に広がりますね。ローマは歴史的にも美食に欠かせない食材が集まりやすいのも大きな特徴です。このリゾットも素材のおいしさを活かした絶品です。一緒にいただいているワイン Chiaranda はトロピカルな雰囲気と柑橘系の爽やかさも感じられるシャルドネで、料理とのマリアージュはもちろんのこと、この季節にもぴったりだと思います」
Risotto con Crema di Astice オマール海老のトマトクリーム リゾット
Filetto di Manzo con Porcini Estivo 牛フィレ肉のソテー サマーポルチーニ茸のクリームソース
赤松さんの言葉に、レストランの責任者である渋沢美佐さんも「ローマ料理は自然の恵みを大切にするんです」と笑顔を見せる。そして、いよいよ三皿目だ。

「牛フィレのソテーですね」と赤松さんも嬉しそうだ。サマーポルチーニを使ったクリームの上品な香りが食欲をそそる。

「ポルチーニといえば世界三大きのこのひとつ。サマーポルチーニが出回ると夏が始まる合図のようで、こうやって食材や料理から季節を感じられるのがいいですね。食べ応えのある牛フィレ肉と、合わせていただいたエレガントな赤ワイン ”Barolo Parej” が、活気のあるイタリアのレストランを思い出させてくれました。古代ローマに遡っても、当時から食生活の先進国でしたよね。イタリア南部のポンペイ遺跡では飲食店が集まる地区が発掘されたり、壁画に食事の様子が描かれていたり・・・当時からいかに食文化が重要とされていたかがわかります。歴史的にも食事を楽しむ文化があるイタリア料理だからこそ、おいしく楽しくいただきたいですね」
誰もが知る物語でも演奏にはひとつとして同じものはない
食事だけでなく、イタリアは文化の出発点だと赤松さんは言う。

「ピアノの歴史もフィレンツェから始まっているし、音楽が芸術として花開いたのはルネッサンス時代です。芸術を育てる・・・イタリアは母なる国だとも言えますね。また、僕もコンクールの審査で何度も訪れていますが、戦う文化もありますよね。私自身何度もコンクールに出ていたから余計そう思うのかもしれません。とはいっても、コンクール自体は肩肘を張ったものばかりではなく、みんな音楽を楽しんでいるように感じます」

この日赤松さんが選んだ1曲は、プロコフィエフ作曲「別れの前のロミオとジュリエット」。

「誰もが知る『ロミオとジュリエット』の舞台はイタリアのヴェローナ。愛やロマンスもイタリアのテーマですね。この物語には普遍性があり、時を超えて今も世界中で親しまれています。ですが、演奏にひとつとして同じものがないように、誰もが知る物語や曲でも、感じ方や受け取り方は違うはずなんですよ。そういったところにも注目してほしいです」
Classic and Cuisine CELVIANO GRAND HYBRID
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音楽も食事も、イタリアから始まったんだなと思わせてくれる
「改めてイタリアが、芸術の始まりの場所だったと感じました。音楽だけでなく、食事もそうですよね。イタリアの中で発展した芸術が、ヨーロッパに広がりそこでまた進化していきます。だからと言ってイタリアの中で文化や芸術は偉そうにしているわけではありません。素材を活かしながらみんなが楽しんでるというのがまたいいじゃないですか」

いつもよりにぎやかな「Classic and Cuisine」。かしこまらずに、みんなで良い時間を共有しているという風景がその言葉を象徴しているようだった。
赤松林太郎
赤松林太郎(ピアニスト) プロフィール
世界的音楽評論家ヨアヒム・カイザーにドイツ国営第2テレビにて「聡明かつ才能がある」と評された2000年のクララ・シューマン国際ピアノコンクール受賞がきっかけとなり、本格的にピアニストとして活動を始める。

1978年大分に生まれ、2歳よりピアノとヴァイオリンを、6歳よりチェロを始める。幼少より活動を始め、5歳の時に小曽根実氏や芥川也寸志氏の進行でテレビ出演。10歳の時には自作カデンツァでモーツァルトの協奏曲を演奏。1990年全日本学生音楽コンクールで優勝して以来、国内の主要なコンクールで優勝を重ねる。神戸大学を卒業後、パリ・エコール・ノルマル音楽院にてピアノ・室内楽共に高等演奏家課程ディプロムを審査員満場一致で取得(室内楽は全審査員満点による)、国際コンクールでの受賞は10以上に及ぶ。
国内各地の主要ホールはもとより、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オーストリア、ハンガリー、ポーランド、台湾、コロンビアを公演で回る一方で、2016年よりハンガリーのダヌビア・タレンツ国際音楽コンクールの審査員長を歴任しており、近年はヨーロッパ各地で国際コンクールやマスタークラスにも多数招聘されている。

これまでに新田ユリ、手塚幸紀、堤俊作、西本智実、山下一史、マルク・アンドレ―エ、デアーク・アンドラーシュ、ミロスウァフ・ブウァシュチック、タラス・デムチシンの指揮のもと、東京交響楽団やロイヤルメトロポリタンオーケストラ、ロイヤルチェンバーオーケストラ、デュッセルドルフ交響楽団、ドナウ交響楽団、シレジア・フィルハーモニー管弦楽団などと共演。キングインターナショナルから《ふたりのドメニコ》《ピアソラの天使》《そして鐘は鳴る》《インヴェンションへのオマージュ》《ブルクミュラー 25&18の練習曲》《わたしを泣かせてください》《クララに捧ぐ》をリリース。新聞や雑誌への執筆も多く、エッセイや教則本などの単著も次々と刊行。
現職は、大阪音楽大学准教授、洗足学園音楽大学客員教授、宇都宮短期大学客員教授、ブダペスト国際ピアノマスタークラス教授、カシオ計算機株式会社アンバサダー。
撮影協力: Il Batticuore(イル バッティクオーレ)
https://www.facebook.com/ilBatticuore
〒108-0071
東京都港区白金台4丁目9-18 barbizon32 地下1階
TEL : 03-6455-6922

地下鉄南北線 白金台駅徒歩3分
JR 目黒駅徒歩10分

定休日: 月曜日不定休

営業時間
[平日]
Lunch 11:30~14:30(L.O 14:00)
Dinner 17:30~23:00(L.O 22:00)

[土・日・祝日]
Lunch 11:30~15:00(L.O 14:30)
Dinner 17:30~23:00(L.O 22:00)
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