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国内外で活躍するピアニスト・赤松林太郎さん。食にも造詣が深いことで知られている赤松さんが、音楽と食事の共通点を探るこの企画も9回目の夜を迎えた。今夜、赤松さんが向かったのはJR飯田橋駅から徒歩5分の場所に位置する「トロワ・サージュ」。日本独自の食材を組み合わせたトラディショナルなフランス料理と、こだわりのワインを楽しめる人気店だ。
東京を拠点に活動を始めた頃に出会った思い出のレストラン
初めて「トロワ・サージュ」を訪れたのは、日本に帰国して間もない2010年ごろだったと思います。もともと水道橋にあったお店が飯田橋に移転したんですよね。知人の紹介で訪れて以来、すっかりオーナーシェフの鎌田佳行さんのファンになりました。店内を見渡すと、当時座った席まで思い出されました。シンプルで落ち着いた店内に、控えめにあるステンドグラスもオシャレで印象に残っていました。その時に食べた料理の味や感動もフッと思い出すんですよ。僕が忘れられないのは「せいこがに」をいただいたことですね。福井出身の鎌田シェフならではの食材選びとでも言うのでしょうか。合わせて飲んだ白ワインの美味しさも格別でした。
今日はどんな感動を味わえるのか・・・この連載を続ける中で、レストランを訪れるワクワク感を楽しめるのがどれほど幸せなのか改めて感じさせられます。
フレンチらしい食材や繊細で濃厚な味わい
改めて感じる食のありがたさ
今年の5月は記録的な暑さで、この日も初夏といってもいいような暑さでした。鎌田シェフが一皿目に提供してくれたのは「ホワイトアスパラとサーモンの春サラダ」。旬のホワイトアスパラの白色とスモークサーモンのピンクが目にもおいしく、鮮やかな一皿です。フランボワーズの甘さと酸味があるソースも爽やかで、合わせていただいた白ワイン「リースリング グランクリュ フィンズベルグ 2000 シャトー ドルシュヴィール」とぴったり。樽で熟成させていないにもかかわらず、熟成を経たゴールドのような色で驚きました。飲んでみると、香りも豊かで生き生きとした味わいです。
ホワイトアスパラとスモークサーモンの春サラダ、温泉玉子添え
続いては「グラチネ」。日本では「グラタン」という呼び方が定着していますね。卵黄と白ワイン、生クリームとトリュフをフワフワとろとろに泡立てたサヴァイヨンソースをレンコ鯛にかけて、オーブンで焼きあげています。空気を含んだソースなので、ナイフを入れると濃厚な黒トリュフの香りが広がるのですが、口に入れると味は繊細なんですよ。そしてソムリエを担当する奥様が「グラチネに負けないくらいの一杯です」と注いでくれたのが「ヤルデン 2020 ゴラン・ハイツ ワイナリー」。これはイスラエルのワインで、ゴラン高原で作られているそうです。最先端の技術と土地のエネルギーが合わさった上品かつパワーのある白ワインで、青りんごを感じさせるアロマを楽しめました。
レンコ鯛のサヴァイヨングラチネ、トリュフの香り
ウサギの背肉、フォワグラ詰めロースト、モリーユ茸ソース
メインはラパン・・・うさぎですね。うさぎは春の季語のようなもので、ラパンが出てくると春だなと思います。肉だけでなく、ハツ、レバー、腎臓といった内臓も使われていて、余す所までいただけるのもありがたいです。フレンチでは素材が珍しいものも多く、うさぎのレバーは和食ではあまり食べませんよね。シェフのお話を伺っていると、世界情勢や物価の値上がりで食材を手に入れるのも一苦労とのこと。食事が好きな身としては心配が尽きませんが、今までよりも大切に向き合うようになった気がします。
地図上の物語が一致する瞬間
「トロワ・サージュ」ではシェフや奥様とフランスの思い出話をたくさんさせてもらいました。一緒に旅をしたわけでなくても、食事や地域の思い出を話すと「あの場所ですね」と話がつながっていくんですよ。自分の持つ地図の上で物語が一致していくような感覚で、知識や経験が共有できる楽しみだと思います。音楽も同じように、今まで積み重ねてきたものを、互いに重ね合いながら生み出すのかもしれません。

今回演奏したのは リスト:グノーの歌劇「ファウスト」よりワルツ です。フランスの作曲家グノーのオペラを、パリで活躍したリストが編曲した曲で、華やかなワルツになっています。オペラの中で「心配事は気にせずに、ワインを楽しもう!」と歌うシーンが好きです。
Classic and Cuisine CELVIANO GRAND HYBRID
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テーブルを彩る食事から世界のつながりを感じる
今回の食事で印象的だったのが、食の世界には国境がないんだということです。イスラエルでワインを生産している人たちは、日本の鯛とマリアージュされているなんて思っていないかもしれないですよね。「おいしい」という想いで繋がっている食事のように、世界も平和になればいいのにと、昨今の情勢を見ているとより強く感じます。
赤松林太郎
赤松林太郎(ピアニスト) プロフィール
世界的音楽評論家ヨアヒム・カイザーにドイツ国営第2テレビにて「聡明かつ才能がある」と評された2000年のクララ・シューマン国際ピアノコンクール受賞がきっかけとなり、本格的にピアニストとして活動を始める。

1978年大分に生まれ、2歳よりピアノとヴァイオリンを、6歳よりチェロを始める。幼少より活動を始め、5歳の時に小曽根実氏や芥川也寸志氏の進行でテレビ出演。10歳の時には自作カデンツァでモーツァルトの協奏曲を演奏。1990年全日本学生音楽コンクールで優勝して以来、国内の主要なコンクールで優勝を重ねる。神戸大学を卒業後、パリ・エコール・ノルマル音楽院にてピアノ・室内楽共に高等演奏家課程ディプロムを審査員満場一致で取得(室内楽は全審査員満点による)、国際コンクールでの受賞は10以上に及ぶ。
国内各地の主要ホールはもとより、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オーストリア、ハンガリー、ポーランド、台湾、コロンビアを公演で回る一方で、2016年よりハンガリーのダヌビア・タレンツ国際音楽コンクールの審査員長を歴任しており、近年はヨーロッパ各地で国際コンクールやマスタークラスにも多数招聘されている。

これまでに新田ユリ、手塚幸紀、堤俊作、西本智実、山下一史、マルク・アンドレ―エ、デアーク・アンドラーシュ、ミロスウァフ・ブウァシュチック、タラス・デムチシンの指揮のもと、東京交響楽団やロイヤルメトロポリタンオーケストラ、ロイヤルチェンバーオーケストラ、デュッセルドルフ交響楽団、ドナウ交響楽団、シレジア・フィルハーモニー管弦楽団などと共演。キングインターナショナルから《ふたりのドメニコ》《ピアソラの天使》《そして鐘は鳴る》《インヴェンションへのオマージュ》《ブルクミュラー 25&18の練習曲》《わたしを泣かせてください》《クララに捧ぐ》をリリース。新聞や雑誌への執筆も多く、エッセイや教則本などの単著も次々と刊行。
現職は、大阪音楽大学准教授、洗足学園音楽大学客員教授、宇都宮短期大学客員教授、ブダペスト国際ピアノマスタークラス教授、カシオ計算機株式会社アンバサダー。
撮影協力:TROIS SAGES(トロワ サージュ)
https://www.troissages.com/
〒102-0072
東京都千代田区飯田橋2-8-7
TEL & FAX : 03-6272-5066

飯田橋駅 JR東口より徒歩8分 東京メトロA2出口より徒歩5分
九段下駅 5番出口より徒歩8分

定休日:日曜日・祝日

営業時間
Lunch 火〜金 11:30~14:00 (L.O.)
※月曜と土曜はランチの営業はしておりません。
Dinner 月~土 17:30~23:00 (21:00 L.O.)
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