{{ top_cat }}
{{ top_title }}
{{ top_author }}

国内外で活躍するピアニスト・赤松林太郎さん。食にも造詣が深いことで知られている赤松さんが、音楽と食事の共通点を探るこの企画。第8回の今夜、赤松さんが向かったのは銀座の隠れ家的レストラン「ロドラント ミノルナキジン」。季節の移り変わりをシェフの感性と共に味わえると人気のレストランが、春の訪れを告げる。
雨の日に広がる印象的な香り 思い出深い場所への来訪
今でも覚えていますが、「ロドラント ミノルナキジン」を初めて訪れた日は、雨が降っていました。雨の日は街の空気というか、匂いが違いますよね。湿度が上がるからでしょうか、香りがふわっと広がるようで、普段よりも匂いに敏感になるような気がします。銀座で仕事が終わった後で、どこかで食事をしようと歩いていて、たまたま見つけたんですよ。魚料理をいただき、その複雑で繊細な魚介の香りが素晴らしくて!いいレストランを見つけたなと思いました。「Classic and Cuisine」でもぜひ紹介したかったので、再訪できて嬉しいですね。
フランス料理といえば、熱したフライパンにバターを溶かし、そこから香りを足すように完成するソースが特徴です。ジビエだと癖があり、臭み消しのためにも香りの強いハーブやスパイスが多く使われています。フランス料理を味わうには香りが不可欠。花粉症のシーズンですが幸いにも鼻は大丈夫なので、今日は香りも存分に楽しみたいと思います。
季節を感じさせてくれる彩りと香りは食事の醍醐味
銀座の中でも少し落ち着いた場所に位置する「ロドラント ミノルナキジン」。お店は地下だということもあり、まさに隠れ家のような雰囲気です。フランスで2年半、研鑽を積んだ今帰仁シェフがこの季節らしいものをと用意してくださったのは、まさにお皿の上に春が来たかのようなメニューでした。
一皿目はホタテを使った前菜です。リンゴやセロリが香りにバリエーションを与え、黒トリュフが全体を高貴に仕上げます。レムラードソースが指揮者としてふるまっているのが憎い。見た目にも鮮やかで、心が弾みますね。前菜は「2019 Saint-Romain Blanc Maison Joseph Drouhin」と一緒にいただきます。樽感のある芳醇な白ワインはミネラルすぎず、柑橘のような後味もあるので、良い相性でした。
そして小鳩を使ったメインの登場です。ムネ肉はローストされ、モモ肉はパンチェッタが巻かれています。パンチェッタは塩漬けした豚バラ肉のことで、生ベーコンのようなものです。小鳩の出汁とロメインの二種類のソースがお皿を彩っていました。さらに添えられているのが少し苦味のあるうど菜です。伝統的なフランス料理に、日本人の感性に響くようなエッセンスを加える、今帰仁シェフならではのセンスだと思います。考えてみると苦味をうまく取り入れるのは、日本人特有の感覚かもしれませんね。お肉をメロディだとすると、ソースがベースライン、そこに様々なエッセンスが混じり合って複雑なハーモニーが生み出されていますね。
今回は春をテーマにしているということで、最後はイチゴをふんだんに使ったデザートを用意していただきました。僕にとってイチゴは春の訪れを教えてくれる食材のひとつです。パリで暮らしていたころはマルシェがすぐそばにあり、春が近づくとイチゴが並び始めていましたね。最初は3月頃にモロッコ産のものが、そこから順にスペイン、イタリアとイチゴの産地が移り変わり、最後にフランスのイチゴが並ぶというわけです。日本では桜前線という言葉がありますが、フランスではイチゴ前線。マルシェで買ったイチゴをボウルいっぱいに入れていると、部屋中に香りが広がるんですよ。あの香りこそ僕にとってフランスの春でした。デザートにいただいたのは、コンポートやソース、シャーベットなどいろいろなテクスチャでイチゴを楽しめる一皿。イチゴの甘さに、柚子を使ったゼリーがふわっと爽やかに香ります。一緒にいただくのはやっぱりシャンパーニュですね。シュワシュワと弾ける泡とのマリアージュで、心地よく食事を終えることができました。
改めて感じる表現者としての共通点
今回の料理には今帰仁シェフのオリジナリティがたくさん散りばめられていました。これは音楽も同じですよね。同じ楽譜・楽器でも演者が違うと、楽曲の世界観はがらりと変わります。また演奏するホールや季節が変われば、微妙な建物の違いや湿度の変化で演奏方法を変えることもあります。同じクオリティの味を作り出すために、きっと料理をする時も季節などのシチュエーションに合わせて変化させているんじゃないでしょうか。そう思うと料理人はやはり表現者だな、と改めて感じますね。
Classic and Cuisine CELVIANO GRAND HYBRID
今回演奏したのはシャミナード作曲「牧歌(ほのかな恋)」です。フランス楽曲らしい世界観をお楽しみください。
{{ sp_name }}
スペシャルサイトはこちら
VIEW MORE
赤松林太郎
赤松林太郎(ピアニスト) プロフィール
世界的音楽評論家ヨアヒム・カイザーにドイツ国営第2テレビにて「聡明かつ才能がある」と評された2000年のクララ・シューマン国際ピアノコンクール受賞がきっかけとなり、本格的にピアニストとして活動を始める。

1978年大分に生まれ、2歳よりピアノとヴァイオリンを、6歳よりチェロを始める。幼少より活動を始め、5歳の時に小曽根実氏や芥川也寸志氏の進行でテレビ出演。10歳の時には自作カデンツァでモーツァルトの協奏曲を演奏。1990年全日本学生音楽コンクールで優勝して以来、国内の主要なコンクールで優勝を重ねる。神戸大学を卒業後、パリ・エコール・ノルマル音楽院にてピアノ・室内楽共に高等演奏家課程ディプロムを審査員満場一致で取得(室内楽は全審査員満点による)、国際コンクールでの受賞は10以上に及ぶ。
国内各地の主要ホールはもとより、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オーストリア、ハンガリー、ポーランド、台湾、コロンビアを公演で回る一方で、2016年よりハンガリーのダヌビア・タレンツ国際音楽コンクールの審査員長を歴任しており、近年はヨーロッパ各地で国際コンクールやマスタークラスにも多数招聘されている。

これまでに新田ユリ、手塚幸紀、堤俊作、西本智実、山下一史、マルク・アンドレ―エ、デアーク・アンドラーシュ、ミロスウァフ・ブウァシュチック、タラス・デムチシンの指揮のもと、東京交響楽団やロイヤルメトロポリタンオーケストラ、ロイヤルチェンバーオーケストラ、デュッセルドルフ交響楽団、ドナウ交響楽団、シレジア・フィルハーモニー管弦楽団などと共演。キングインターナショナルから《ふたりのドメニコ》《ピアソラの天使》《そして鐘は鳴る》《インヴェンションへのオマージュ》《ブルクミュラー 25&18の練習曲》《わたしを泣かせてください》をリリース。新聞や雑誌への執筆も多く、エッセイや教則本などの単著も次々と刊行。
現職は、大阪音楽大学准教授、洗足学園音楽大学客員教授、宇都宮短期大学客員教授、ブダペスト国際ピアノマスタークラス教授、カシオ計算機株式会社アンバサダー。
撮影協力: l'Odorante par MinoruNakijin(ロドラント ミノルナキジン)
http://www.odorantes.net/access.html
〒104-0061
東京都中央区銀座7-7-19 ニューセンタービルBF
TEL:03-5537-7635

地下鉄線銀座駅から徒歩5分
JR線新橋駅から徒歩5分
銀座駅から305m

定休日:日曜日

営業時間
dèjeuner(Lunch) 12:00~15:00 (12:30L.O.)
diner(Dinner) 18:30~22:30 (19:00L.O.)
RECOMMEND
{{ reco_title }}
{{ reco1_title }}
{{ reco1_author }}
{{ reco2_title }}
{{ reco2_author }}
{{ reco3_title }}
{{ reco3_author }}
VIEW MORE

INSTAGRAM