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国内外で活躍するピアニスト・赤松林太郎さん。食にも造詣が深いことで知られている赤松さんが、音楽と食事の共通点を探るこの企画。第7回の今夜は人形町にある人気店「PIZZERIA IL TAMBURELLO」を訪れた。イタリアから取り寄せたという石窯があるピッツェリアでは、ナポリで修行を積んだオーナーによる本格的な味が楽しめる。

思い出を呼び起こしてくれる、お気に入りのピッツェリア
押上に住んでいた時期があって、その頃によく来ていたのが「PIZZERIA IL TAMBURELLO」です。2010年のオープン直後に評判を聞いて、すぐにファンになりました。それから年に数回は来ていましたね。カジュアルな雰囲気で本格的なピッツアが食べられるんですよ。
オーナーの大坪さんは実際に27歳からナポリで修行をしていたそうです。ヨーロッパ留学中は私もよくナポリに立ち寄ったので、大坪さんのお話をうかがいながら食事をいただくと、本場の味が蘇ってきます。旅行中の食事は思い出深いものですね。
オーナーの大坪さんは実際に27歳からナポリで修行をしていたそうです。ヨーロッパ留学中は私もよくナポリに立ち寄ったので、大坪さんのお話をうかがいながら食事をいただくと、本場の味が蘇ってきます。旅行中の食事は思い出深いものですね。

音楽も食も、知ることでもっと楽しめる
店内に入ると、石窯がすぐ目に飛び込んできます。大坪さんいわく、使い込んでいくことで中に残った水分がどんどん取り除かれ、よりいい石窯になっていくそうです。乾燥している石を使っていても中に水分が少し残っているそうですが、その水分が炉床温450℃という熱さでじわじわなくなるんでしょうね。使っていく中で完成される、というロマンを感じました。
一皿目は前菜の盛り合わせをスプマンテといただきます。生ハムに水牛モッツアレラ、フリッタータ、真鰯のマリネなどイタリア料理らしいメニュー。フリッタータというのはキッシュに似た卵料理で、伝統的な一品です。このフリッタータも石窯で焼き上げたということで、ふわふわとした卵の食感を楽しめました。そしてそのコクに感動したのがモッツアレラです。モッツアレラチーズ発祥の地と言われているナポリのものを取り寄せているそうで、さすがオーナーのこだわりですね。
一皿目は前菜の盛り合わせをスプマンテといただきます。生ハムに水牛モッツアレラ、フリッタータ、真鰯のマリネなどイタリア料理らしいメニュー。フリッタータというのはキッシュに似た卵料理で、伝統的な一品です。このフリッタータも石窯で焼き上げたということで、ふわふわとした卵の食感を楽しめました。そしてそのコクに感動したのがモッツアレラです。モッツアレラチーズ発祥の地と言われているナポリのものを取り寄せているそうで、さすがオーナーのこだわりですね。

続いては「ロトリーノ」です。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、これは具材をロール状に包んで焼き上げたピッツァのことで、イタリアでは気軽に食べられているんですよ。具材は生ハムと燻製されたモッツアレラ。そこにラードのコクが混ざり合い、味に深みを出しています。イタリアは縦に長い国土の中で、気候ももちろん地域差が大きい。たくさんの国が集まって出来上がった国家のため、歴史的にも文化的にも異なる背景を持っています。それは料理においても如実に表れていて、イタリア料理と一言でまとめることはできません。いただいたロトリーノにラードが使われていましたが、これはナポリがイタリア南部の都市であることも理由のひとつ。イタリア北部ではバターが、南部ではラードがよく使われているので、同じ料理でも食べる土地によって味の印象が異なります。
ナポリでの味付けは、オリーブオイルと塩が定番だと大坪さんから伺いました。イタリア料理というとペペロンチーノの印象からか、唐辛子をよく使うイメージがありますが、これは面白い発見でした。
ナポリでの味付けは、オリーブオイルと塩が定番だと大坪さんから伺いました。イタリア料理というとペペロンチーノの印象からか、唐辛子をよく使うイメージがありますが、これは面白い発見でした。

そしていよいよメインのピッツアです。メニューを見ながら迷っていると、店名でもある「タンブレッロ」を発見。具材は燻製モッツァレラ、サラミ、トマト、バジリコで、オーナーがいつも食べていた組み合わせなんだとか。それなら絶対に外さない!とオーダーしました(笑)。もちもちとした生地とモッツアレラのコンビネーションはまさにナポリの味。トマトの酸味も爽やかで、店名にふさわしい一枚です。

今回料理に合わせて選んでもらったのは、ハウスワインの白と、イタリア南部で栽培される黒ぶどうアリアニコの赤ワインです。ハウスワインと言いつつこだわりを見せるのがさすが。特に赤ワインは、燻製されたモッツアレラとおいしさを引き立ててくれる味わいでした。料理とワインのマリアージュを改めて感じますね。


さまざまな表情を見せてくれるイタリア音楽
ナポリは海のそばの陽気な街にも思えますが、深刻な貧困問題を抱えており、治安の悪さについてもよく指摘されます。路地裏に入ると暗く不気味な場所もあり、決して楽しいだけの場所ではありません。音楽も同じで、実は暗いオペラが愛されていたりするんですよ。黒い闇の部分があり、だからこそ光り輝く美しい旋律が強調されたりもします。ナポリはオペラを生み出し、発展させてきた街です。

今回演奏したのはリスト「ピアノソナタ ロ短調」。イタリアオペラに精通し、壮大な音楽世界を描きあげたリストの大叙事詩です。豊かな表情を感じてください。
そういえば、お店の名前でもあるタンブレッロはタンバリンという意味を持ちます。「楽器を演奏するように、ピッツアを作る」というところから名付けられたそうで、演奏家の心に響くエピソードでした。
そういえば、お店の名前でもあるタンブレッロはタンバリンという意味を持ちます。「楽器を演奏するように、ピッツアを作る」というところから名付けられたそうで、演奏家の心に響くエピソードでした。
知れば知るほどおもしろくなる
今回は大坪さんから食材や料理について、たくさんのお話しを聞くことができました。何も知らなくても美味しくいただけますが、知識や経験があればあるだけ味を楽しむことができますね。これも音楽と同じです。美しい音楽や心地よい音を楽しむのも幸せなことですが、作曲家や楽器について知っていればもっとおもしろくなるでしょう。自分の経験値に合わせて受け取り方や感じ方が変わるという点においても、音楽も料理も奥が深いと言えますね。


赤松林太郎(ピアニスト) プロフィール
世界的音楽評論家ヨアヒム・カイザーにドイツ国営第2テレビにて「聡明かつ才能がある」と評された2000年のクララ・シューマン国際ピアノコンクール受賞がきっかけとなり、本格的にピアニストとして活動を始める。
1978年大分に生まれ、2歳よりピアノとヴァイオリンを、6歳よりチェロを始める。幼少より活動を始め、5歳の時に小曽根実氏や芥川也寸志氏の進行でテレビ出演。10歳の時には自作カデンツァでモーツァルトの協奏曲を演奏。1990年全日本学生音楽コンクールで優勝して以来、国内の主要なコンクールで優勝を重ねる。神戸大学を卒業後、パリ・エコール・ノルマル音楽院にてピアノ・室内楽共に高等演奏家課程ディプロムを審査員満場一致で取得(室内楽は全審査員満点による)、国際コンクールでの受賞は10以上に及ぶ。ピアノを元吉明子、熊谷玲子、ミハイル・ヴォスクレセンスキー、フランス・クリダ、ジャン・ミコー、ジョルジュ・ナードル、ゾルターン・コチシュ、室内楽をニーナ・パタルチェツ、クリスチャン・イヴァルディの各氏に師事。
国内各地の主要ホールはもとより、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オーストリア、ハンガリー、ポーランド、台湾、コロンビアを公演で回る一方で、2016年よりハンガリーのダヌビア・タレンツ国際音楽コンクールの審査員長を歴任しており、近年はヨーロッパ各地で国際コンクールやマスタークラスにも度々招かれている。
これまでに新田ユリ、手塚幸紀、堤俊作、西本智実、山下一史、マルク・アンドレ―エ、デアーク・アンドラーシュ、ミロスウァフ・ブウァシュチック、タラス・デムチシンの指揮のもと、東京交響楽団やロイヤルメトロポリタンオーケストラ、ロイヤルチェンバーオーケストラ、デュッセルドルフ交響楽団、ドナウ交響楽団、シレジア・フィルハーモニー管弦楽団などと共演。キングインターナショナルから《ふたりのドメニコ》《ピアソラの天使》《そして鐘は鳴る》《インヴェンションへのオマージュ》《ブルクミュラー 25&18の練習曲》《わたしを泣かせてください》《クララに捧ぐ》をリリース。新聞や雑誌への執筆も多く、著書に『赤松林太郎 虹のように』(道和書院)、『3年後、確実にクラシック・ピアノが弾ける練習法 ショパン編』『3年後、確実にクラシック・ピアノが弾ける練習法 ベートーヴェン編』(リットーミュージック)、『徹底解説 バッハ〈インヴェンション&シンフォニア〉弾き方教え方』(音楽之友社)がある。
現職は、大阪音楽大学准教授、洗足学園音楽大学客員教授、宇都宮短期大学客員教授、Budapest International Piano Masterclass教授、Japan Liszt Piano Academy音楽監督、カシオ計算機株式会社アンバサダー。
世界的音楽評論家ヨアヒム・カイザーにドイツ国営第2テレビにて「聡明かつ才能がある」と評された2000年のクララ・シューマン国際ピアノコンクール受賞がきっかけとなり、本格的にピアニストとして活動を始める。
1978年大分に生まれ、2歳よりピアノとヴァイオリンを、6歳よりチェロを始める。幼少より活動を始め、5歳の時に小曽根実氏や芥川也寸志氏の進行でテレビ出演。10歳の時には自作カデンツァでモーツァルトの協奏曲を演奏。1990年全日本学生音楽コンクールで優勝して以来、国内の主要なコンクールで優勝を重ねる。神戸大学を卒業後、パリ・エコール・ノルマル音楽院にてピアノ・室内楽共に高等演奏家課程ディプロムを審査員満場一致で取得(室内楽は全審査員満点による)、国際コンクールでの受賞は10以上に及ぶ。ピアノを元吉明子、熊谷玲子、ミハイル・ヴォスクレセンスキー、フランス・クリダ、ジャン・ミコー、ジョルジュ・ナードル、ゾルターン・コチシュ、室内楽をニーナ・パタルチェツ、クリスチャン・イヴァルディの各氏に師事。
国内各地の主要ホールはもとより、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オーストリア、ハンガリー、ポーランド、台湾、コロンビアを公演で回る一方で、2016年よりハンガリーのダヌビア・タレンツ国際音楽コンクールの審査員長を歴任しており、近年はヨーロッパ各地で国際コンクールやマスタークラスにも度々招かれている。
これまでに新田ユリ、手塚幸紀、堤俊作、西本智実、山下一史、マルク・アンドレ―エ、デアーク・アンドラーシュ、ミロスウァフ・ブウァシュチック、タラス・デムチシンの指揮のもと、東京交響楽団やロイヤルメトロポリタンオーケストラ、ロイヤルチェンバーオーケストラ、デュッセルドルフ交響楽団、ドナウ交響楽団、シレジア・フィルハーモニー管弦楽団などと共演。キングインターナショナルから《ふたりのドメニコ》《ピアソラの天使》《そして鐘は鳴る》《インヴェンションへのオマージュ》《ブルクミュラー 25&18の練習曲》《わたしを泣かせてください》《クララに捧ぐ》をリリース。新聞や雑誌への執筆も多く、著書に『赤松林太郎 虹のように』(道和書院)、『3年後、確実にクラシック・ピアノが弾ける練習法 ショパン編』『3年後、確実にクラシック・ピアノが弾ける練習法 ベートーヴェン編』(リットーミュージック)、『徹底解説 バッハ〈インヴェンション&シンフォニア〉弾き方教え方』(音楽之友社)がある。
現職は、大阪音楽大学准教授、洗足学園音楽大学客員教授、宇都宮短期大学客員教授、Budapest International Piano Masterclass教授、Japan Liszt Piano Academy音楽監督、カシオ計算機株式会社アンバサダー。

撮影協力: PIZZERIA IL TAMBURELLO
http://il-tamburello.com
Instagram
https://instagram.com/pizzeria.il.tamburello?igshid=YmMyMTA2M2Y=
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〒103-0012
東京都中央区日本橋堀留町1丁目2番9号 DIG DUG 1F #B
TEL:03-6661-6628
東京メトロ日比谷線小伝馬町駅から徒歩約3分
都営浅草線人形町駅から徒歩約5分
定休日:日曜日
営業時間
Lunch 11:30~14:00 (L.O.13:30)
Dinner 17:00~22:00 (L.O.22:00)
※月曜日は17:00からの営業となります。
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Dinner 17:00~22:00 (L.O.22:00)
※月曜日は17:00からの営業となります。