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国内外で活躍するピアニスト・赤松林太郎さん。食にも造詣が深いことで知られている赤松さんが、音楽と食事の共通点を探るこの企画。第五回の今夜は、恵比寿と代官山の中間に位置するフレンチレストラン「マッシュルーム」を訪れた。マッシュルームという名前の通り、きのこにこだわったフレンチレストランでフランス料理をベースに様々なキノコを味わうことができる。
現在進行形で進化しているフランス料理
フランス料理は世界三大料理のひとつで、歴史を見ると16世紀ごろにイタリア料理の影響を受け、華やかに洗練されています。元々は宮廷料理でしたが、フランス革命後は市民の間でも広がり、各地で親しまれるようになりました。

フランス料理の特徴のひとつが、豊富な調理法や調味料による複雑かつ繊細な味が楽しめるということでしょう。フランスは農産物だけでなく海産物も豊富ですが、当時は物流が悪く、食材が宮廷に届くころには鮮度が落ちてしまっていた。その食材を美味しく食べるためにも、調理方法が進化していったんでしょうね。そして、この進化を受け入れる器がフランス料理にはある。今は物流もよくなり、新鮮な食材を使うことも可能ですが、それでも味や調理方法はどんどん変化しています。時代やトレンドと共に変化できる・・・フランス料理のおもしろさですね。
シェフの「きのこ愛」とこだわりの料理が楽しめるフレンチレストラン
最初はやはりシャンパンでスタート。シャンパンは人生に躍動感を与えてくれる飲み物だと思っています。キンと冷えた冷たさに緊張感もあるし、モチベーションのようなものも感じますね。特別な食事には欠かせない飲み物だと思います。

一皿目は「きのこのフリチュール」。フリチュールというのは揚げ物で、今回はトキイロヒラタケとマスタケが使用されていました。マッシュルームでは山岡昌治シェフが厳選したきのこを、季節に合わせていただけます。マスタケは鳥のささみのような食感でした。横に添えられているしいたけパウダーやかんずりソースもアクセントになっていますね。山岡シェフの「きのこ愛」にいつも驚かされますが、今日も  一皿目から期待が高まりました。
二皿目は「鮎とトリュフのムース ミントで和えたメロンを添えて」。ムースにはトリュフと鮎の肝が使われ、にがみとトリュフの香りが口の中で広がります。鮎は内臓まですべて食べられる魚で、とても日本的な食材です。これは日本だからこそ食べられるフランス料理ですね。ここでは椎茸にも似た食感のカンゾウタケをいただけました。
ヨーロッパはスープの文化だと改めて感じさせてくれたのは、三皿目の「きのこのブイヨンスープ」です。貝、鶏肉、野菜、そしてきのこの旨味を堪能でき、スープだから食べることに罪悪感もない。ブイヨンの延長線上にすっと染み込む爽やかな旨さがあると思ったら、シークワーサーが使われていると聞き納得しました。贅沢なスープはまさに命の雫と言えるでしょう。
鮎とトリュフのムース
ミントで和えたメロンを添えて
きのこのブイヨンスープ
そしてメインは「フランス ブルターニュ産仔牛レバーのポワレ シェリービネガーソース」です。フランスに行くと、日本では食べたこともない部位を楽しめるんですよ。今回のソースはシェリービネガーがベースになっていました。フランス料理の中でソースはかなり重要で、味はもちろんのこと、香りや彩りで料理の魅力を最大限に引き出す役割があります。これは主旋律に対する対旋律のようで、フランス料理というハーモニーを響かせているよう。タニックで重厚感があるマルサネの赤と合わせていただきました。
食事の後に山岡シェフからお話を伺うと、シェフの「きのこ愛」に驚かされました。もともと山できのこを採るのが趣味で、きのこフレンチレストランをオープンしたということです。取り扱うきのこは100種にも及ぶそうで、ソースを作る際も、旨味を引き立てるには一度冷凍したきのこを使ったり、香りを楽しむためには乾燥させたきのこを使ったり、きのことフランス料理へのこだわりを聞くことができました。
音楽も食事も余韻や余白まで楽しむ
首都のパリは芸術の都とも呼ばれ、その歴史や文化が世界中から愛されています。現地で過ごした日々を思い返すと、オペラを楽しんだ後に、食事をしながら批評家のように感想を言い合う・・・そんな日々が脳裏によみがえります。音楽の余韻を大事に、時間を共有する楽しみ方は、お皿の余白も美しく見えるように盛り付けるフランス料理ともどこか似ていますね。聴くことや食べることだけでなく、その時間ごと楽しむ感性が文化的な街を作り上げているのでしょう。
Classic and Cuisine CELVIANO GRAND HYBRID
今回CELVIANO Grand Hybrid GP510-BPで演奏したのは、ドビュッシー作曲「亜麻色の髪の乙女」です。イタリアやドイツと同じように、ヨーロッパ音楽の中でも重要な意味を持つフランス音楽からは美しさや華やかさが感じられます。
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様式を守りながら進化するフランス音楽
僕はよく「イタリアは伝統、フランスはモード」という言い方をします。それはクラシック音楽が生まれたイタリアに対し、進化し続けるフランス音楽という意味合いがありますが、進化するために大切なのは様式であり格式です。好き勝手やっているのではなく、歴史や技術を繋いでいる。それを大切にしているからこそ、流行を生み出す力がフランスにはあるのでしょうね。
赤松林太郎
赤松林太郎(ピアニスト) プロフィール
世界的音楽評論家ヨアヒム・カイザーにドイツ国営第2テレビにて「聡明かつ才能がある」と評された2000年のクララ・シューマン国際ピアノコンクール受賞がきっかけとなり、本格的にピアニストとして活動を始める。
1978年大分に生まれ、2歳よりピアノとヴァイオリンを、6歳よりチェロを始める。幼少より活動を始め、5歳の時に小曽根実氏や芥川也寸志氏の進行でテレビ出演。10歳の時には自作カデンツァでモーツァルトの協奏曲を演奏。1990年全日本学生音楽コンクールで優勝して以来、国内の主要なコンクールで優勝を重ねる。神戸大学を卒業後、パリ・エコール・ノルマル音楽院にてピアノ・室内楽共に高等演奏家課程ディプロムを審査員満場一致で取得(室内楽は全審査員満点による)、国際コンクールでの受賞は10以上に及ぶ。
国内各地の主要ホールはもとより、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オーストリア、ハンガリー、ポーランド、台湾、コロンビアを公演で回る一方で、2016年よりハンガリーのダヌビア・タレンツ国際音楽コンクールの審査員長を歴任しており、近年はヨーロッパ各地で国際コンクールやマスタークラスにも多数招聘されている。
これまでに新田ユリ、手塚幸紀、堤俊作、西本智実、山下一史、マルク・アンドレ―エ、デアーク・アンドラーシュ、ミロスウァフ・ブウァシュチック、タラス・デムチシンの指揮のもと、東京交響楽団やロイヤルメトロポリタンオーケストラ、ロイヤルチェンバーオーケストラ、デュッセルドルフ交響楽団、ドナウ交響楽団、シレジア・フィルハーモニー管弦楽団などと共演。キングインターナショナルから《ふたりのドメニコ》《ピアソラの天使》《そして鐘は鳴る》《インヴェンションへのオマージュ》《ブルクミュラー 25&18の練習曲》《わたしを泣かせてください》をリリース。新聞や雑誌への執筆も多く、エッセイや教則本などの単著も次々と刊行。
現職は、大阪音楽大学准教授、洗足学園音楽大学客員教授、宇都宮短期大学客員教授、ブダペスト国際ピアノマスタークラス教授、カシオ計算機株式会社アンバサダー。
撮影協力:恵比寿マッシュルーム
https://www.mush.jp
〒150-0021
東京都渋谷区恵比寿西1-16-3ゼネラルビル恵比寿西 中2F
TEL : 03-5489-1346

定休日:月曜日(祝月曜も定休)

Lunch
12:00~15:00(L.O.14:00)

Dinner
18:00~22:30 (L.O.20:00)

他、不定休あり
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