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Interview
MEGUMI talks with『井口理 from King Gnu』
MEGUMI talks with
『井口理 from King Gnu』
女優/MEGUMIさんがナビゲーターとして音楽を愛するクリエイティブな「人」の今をキャッチアップしていくこの企画。

第4 回目のゲストはロックバンドKing Gnuのボーカリストであり、キーボーディストの井口理さんだ。ちょうどこの対談はMEGUMIさん初のプロデュース作であり、井口さんの初主演作であるドラマ『GOSSIP BOX/ゴシップボックス』の公開直前に行われたため、二人が顔を合わせると自然と撮影の話が始まった。
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新しい肩書で挑んだ『ゴシップボックス』
『ゴシップボックス』は井口さんが俳優の吉村界人さん、監督の佐々木総一郎さんと飲んでいた時の何気ない会話から動き始めたという。

「『何か面白いことやろうぜ』と居酒屋で話したのが最初だけど、そういうのって社交辞令が多いじゃないですか。でもこれはそうじゃなかった」と当時を振り返る井口さん。MEGUMIさんは最初、出演者として声をかけられていた。

「声をかけてもらってお話を聞いたら、まだ何も決まっていなくて(笑)。私もいろいろ意見を言わせてもらって、そこからプロデューサーとしても参加することが決まりました」と言うMEGUMIさんに「初プロデュースに(自分は)初主演。新しい肩書に慣れない現場だった」と笑う井口さん。

「今回、みんなセリフも多かったし・・・、本来ならもっと本読みとかをしてから撮影なのかもしれないけど、スケジュールがタイトだったのでみんな当日のためにしっかり準備して臨んでいましたね。撮影の時にしっかり噛み合うような感じがあって、上手く出来たんじゃないかなと思います」と嬉しそうな表情を見せる井口さんにMEGUMIさんも大きく頷く。

密室を舞台に、謎解きとすれ違いが繰り広げられる『ゴシップボックス』。密室で展開されるため、どうしてもセリフが多くなるのだという。MEGUMIさんも絶賛していた役者としての井口さんだが、ミュージシャンの時とは向き合う時の気持ちが違うという。
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誰かを救おうと思ってるんじゃなく、ただ歌が好きなだけ
「演技をする時と、ステージに立つ時は自分の中でのツマミが違う感じがする。演技は自分からかけ離れないようにという意識があって、ライブの時も自分は自分なんだけどアウトプットの仕方が違うイメージなのかな」と自分の考えを整理するように話す井口さん。わかると相槌を打つMEGUMIさんが「理くんは音楽をやってる時は、メロウな感じもありつつ、激パンクでもあるんだよね」と指摘した。自分を客観的に表現してくれるMEGUMIさんに「頼りがいのあるプロデューサーです」と井口さんも笑顔を見せていた。

実は井口さんは、世間からどう見られているかあまり意識していないのだという。

「芸大卒だからとか思われているのかもしれないけど、別に自分はアカデミックなタイプじゃないし、ただの28歳だなと思う。King Gnuのバンドメンバーは全員そうだけど、変に飾らない普通の男たちなんですよね。等身大の自分たちが音楽にも表れてるんじゃないかな」

井口さんの話からは、とにかく音楽が好きだという思いが伝わる。


「小さな頃から歌が好きで、歩いている時も歌っちゃうような子どもだったんです。音楽で誰かを救おうとか思ってわけじゃなくて、今もただ歌が好きなだけですよ」

一方で、音楽の持つ力も強く感じているという。それを実感したのがファンレターだった。

「ファンの方が学校を辞めるか続けるかの決断をする時に、僕らの曲で救われたって書いていて・・・、僕は音楽が好きで自分自身は救われているけど、その音楽が誰かの人生の影響を与えているんだなって知った時に、怖くもあり嬉しくもあった」

一旗あげてやろうと東京に出てきただけ、と言う井口さんだが、自分の信じる音楽を続けることで広がる影響力は大きいようだ。
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配信技術が上がっても、ライブは決して失われない
井口さんの音楽への思いはどこから来ているのだろうか。対談が進む中で、井口さんの音楽の原風景にたどり着いた。

「フォーク世代の両親は、地元にあったグループで出会ったみたいで、僕も生まれた頃から音楽は身近だったから自然と好きになった」と話す井口さん。両親がバンドを組んでいたと最近知らされたと言う。両親を想像したのか「かわいい」と呟くMEGUMIさんに「かわいいですか(笑)?」と笑いながら思い出話を続ける。

「夜寝る前とかも、父親が紙芝居に歌を付けて読み聞かせしてくれたとか、そういう思い出が自分の中にずっとある。父親のエンタメ性みたいなのが、自分にも受け継がれているのかもしれない」

コロナ禍でライブ活動が制限されたが、井口さんにとってはライブの重要性を再確認するタイミングでもあったようだ。

「コロナの影響で配信ライブが増えて、配信技術もどんどん上がっていきましたよね。その結果配信でしかできないものも生まれたと思うけど、ライブは決して失われないなと逆に思いました。直接音楽が肌に触れるような感覚は、やっぱり忘れられないですよ」

MEGUMIさんも「理くんたちはライブバンドだから余計に実感するんだろうね。私も久しぶりにライブに行く機会があったけど、なんでこの感動を忘れてたんだろう! って思い出した」と自身の体験を思い出していた。
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音楽は日常や生活を豊かにしてくれる
日常を彩る音楽の魅力を知っているからこそ、「#部屋活ピアノ」というキーワードにも共感している。

「音楽って、日常や生活を豊かにするものなんですよね。新しい趣味として音楽を始める人が増えるというのは、純粋にいいことだなと思います。音楽が落ち込んでいる気持ちを盛り上げてくれたりもするし。ただ働いて、食べて、寝るだけじゃつまらないですよね。人間らしい生活を音楽がそばで支えてくれると思う」

落ち込んで気持ちを切り替えたい時は「サンボマスター」を聞くという井口さん。自分が主人公になれるような楽曲の力を借りて、気持ちを上げるのだという。大事な時には音楽がいつもそばにある、と話す視線の先には「Casiotone CT-S1」あった。
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「鍵盤楽器の良さに、音を鳴らすことのハードルの低さがあると思います。バイオリンとかギターは誰でもすぐに弾けるわけじゃないから、ポンと押せば音が鳴るピアノやキーボードは初心者にも始めやすいと思う」

「これはデザイン性も高くて、薄い。インテリアとしても邪魔しないからいいですね」と実際に確認するように鍵盤に触れていた。

「僕もずっと音楽には救われてきたから、これから『#部屋活ピアノ』を始める人たちにも、人生を支えてくれる音楽を毎日の生活に取り入れてくれたらいいなと思います」
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対談の最後に、MEGUMIさんが井口さんについて振り返った。

「彼はとても才能のある人で、お芝居も歌も素晴らしい。でも『ゴシップボックス』の撮影を通して、今まで会ったことがない新型人間だということがわかりました(笑)。メロウだけど、パンクな部分もあって、実際に話をすると本人はすごく真面目でシャイ。周りにいないタイプなんですよ。ぜひまた一緒に作品作りもしたいですね」

MEGUMIさんの話を照れた表情で聞く井口さん。二人のコラボレーションがこれからも続く予感がした。
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