CELVIANO Grand Hybrid

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン
「熱狂の日」音楽祭2016 協賛レポート

OTTAVAオープンスタジオ

トークイベント

「藤倉大によるスペシャル・トーク・セッション ~作曲家とナチュール~supported by CASIO CELVIANO Grand Hybrid」
【5月4日(水・祝)11:00-12:00】

本公演で、日本を代表する世界的作曲家・武満徹さんの愛娘である武満眞樹さんが「武満徹が見た風景」2公演をプロデュース。そして、現代音楽シーンを牽引、イギリスを拠点に活躍する作曲家・藤倉大さんが「音楽の冒険〜藤倉大が考える La Nature」をプロデュース。その本公演3プログラムのスピンオフ企画として、藤倉大さんと武満眞樹さんによるトークイベントが行われました。

まず、最初のテーマは「藤倉さんにとってナチュール/自然とは?」。実は現実世界の自然が苦手という藤倉さんにとっての自然は、空想の中のファンタジーの世界。だから言ってみれば何でもあり、ということでした。

直近の活動としては、作り始めて3日目の合唱の曲があり、今冬に初演の予定。詞もタイトルもまだできていないが冒頭の楽譜メモを持って来られた、ということでステージ上のCELVIANO Grand Hybridで弾いて披露されました。

このイベント出演直後に行われる自身プロデュースの公演についてのお話では、急な依頼だったので出来る方に声をかけて可能な中でプログラミングしたとのことです。しかし、全ての曲においてナチュールのテーマに沿いながら、いろんなジャンルの曲が1公演に凝縮されている稀有なプログラムだ、と武満さんは感嘆されていました。

また、曲作りついてのお話から4歳の娘さんと作曲は切り離せない関係である、という話になり、胎児の頃~現在に至るまで、娘さんからインスピレーションを感じて生み出された作品が多数あることが紹介されました。

続いて今後の活動予定のお話。子供が見られるオペラ、6月に発売されるCD、ピアノの小曲、ホルンコンチェルトなど、多方面でのご活躍が伺えました。

最後に行われたのは、藤倉さんへの質問コーナー。
「お子さんが生まれる前と後で音が変わりましたか?」というご質問には、「変わりました。」と即答。交渉ができない、有無を言わせない赤ちゃんがそばにいると、細かいことを気にせず、大きな心で音楽を捉えられるようになった、とのことでした。
「藤倉さんにとっての譜面はどんなものですか?」という質問に対し、藤倉さんは「良い質問ですね。」「全く知らないが弾きたいと思う人に想いを伝える、ラブレターのようなものです。」「自分のサイトで楽譜を販売しているのですが、海外の方と楽譜でつながるということもあります。」「福島でエル・システマ・ジャパンという作曲教室を楽譜が読める子供たちを対象に行っていますが、そこで5歳の子が書いた曲を翌日、アメリカから連れてきたアンサンブルがコンサートで披露しました。これは楽譜があるからこそできたことです。習得するのに何年もかかる言語では、こうはいきません。」と、数々のエピソードが語られました。
「将来、AI / ロボットが藤倉さんのような有名な作曲家を超えるような作曲ができますか?」という質問には「将棋やチェスと違って、作曲は答えがいくつあってもよいので、超えるとかではなく、お互いに学び・インスパイアされてより良いものができると良いのではないでしょうか。是非、AI / ロボットが作った曲を聴いてみたいです。」

数々の興味深いお話に、大勢のお客様から盛大な拍手が送られました。